◆比嘉一貴(26)=フリー= 3年連続3度目出場 <長嶋茂雄招待セガサミーカップ優勝>
国内男子プロゴルフツアーの2020―21年シーズン最終戦、日本シリーズJTカップが12月2日から4日間、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で2年ぶりに有観客で開催される。比嘉一貴(26)は3年連続3度目の出場。頂点へ心身ともに活力がみなぎる。
運動神経抜群で、小さな体には大きな夢が詰まっている。8月の長嶋茂雄招待セガサミーカップ。比嘉は風の中でも低弾道ショットを操り、大会最少記録に並ぶ通算20アンダーで最終日逆転V。3年連続の日本シリーズ出場を決めた。「特別な試合。毎年出場することが日本のトッププロの証し。(13年の宮里)優作さんの初優勝をテレビで見てすごい劇的で憧れました」と、沖縄の先輩の雄姿が忘れられない。
小柄で「得したことはない」と笑う。「飛距離や球の高さの面では不利はあると思います。でも、それ以外でも戦えるのがゴルフのいいところ」。ショット、アプローチ、パットいずれも創意工夫で精度を磨き、総合力を高めてきた。21年はツアー本格参戦4年目で自己最多7度のトップ10入り。主要部門の数字も軒並み自己最高を記録した。
郷土の英雄の背中を追う。「目標とする人」の欄には、幼少から同じ沖縄出身のボクシングの元世界王者・具志堅用高(66)の名前を書いてきた。「戦後に、ボクシングで日本全国の人が具志堅さんを応援した。13連続世界王座防衛など、圧倒的な強さを見せていろんな人に夢を与えた。競技は違いますけど、僕も世界一を目指してたくさんの人に応援してもらえる選手になりたい」。まずは自身初の“日本タイトル”取りに挑戦する。(榎本 友一)=おわり=
◆比嘉 一貴(ひが・かずき)1995年4月23日、沖縄・うるま市生まれ。26歳。10歳からゴルフを始め、沖縄・本部高では宮里優作の父・優さんに師事。東北福祉大では2015年ユニバーシアード団体&個人とも金メダル。16年日本オープンでベストアマ獲得。18年に賞金ランク60位で初シードを獲得。19年のRIZAP・KBCオーガスタでツアー史上最低身での初優勝を飾った。158センチ、67キロ。