通算8勝の手嶋多一、29位で来季ツアー出場は厳しく「力不足(年齢は)関係ない」


1番ティーショットを放つ手嶋多一

1番ティーショットを放つ手嶋多一

◆男子ゴルフ 来季のツアー出場権を懸けた最終予選会最終日(10日、宮崎・トム・ワトソンGC=6984ヤード、パー72)

 ツアー通算8勝の手嶋多一(ミズノ)が73と伸ばせず、通算3オーバーの29位で終えた。25位から出てレギュラーと下部ツアーの来季前半戦の多くの試合の出場権を得る、20位前後には届かなかった。最終予選会は72ホールのストロークプレーで行われ、8アンダーで首位のアンドルー・エバンス(オーストラリア)が来季ツアーにフル参戦できる権利を得た。

 手嶋は4日間の戦いを終え、すがすがしい表情を浮かべた。「いい、悪いは別にしてホッとしています」。来季のレギュラーツアーの出場は厳しい状況で「普段の試合とは違う変なドキドキ感があって、ワクワク感はない。18ホールが長く感じましたよ。やっぱり上位にいけないのは力不足。(年齢は)関係ない。技術でカバーできなかったから」と肩を落とした。

 01年の日本オープン、14年の日本プロ選手権など通算8勝を挙げる。18年に賞金ランク88位に沈み、22年守ったシードを陥落。今季は生涯獲得賞金ランク25位以内の資格でツアーに出場したが、賞金ランク74位でシード復帰はかなわなかった。今季はレギュラーツアーと、19年から参戦するシニアツアーを飛び回り、9月の日本シニアオープンで初優勝。53歳にして8月中旬から15連戦も経験。「ジェットコースターみたいな1年でした。こんなに忙しい年を過ごしたのは初めて。この年になって毎週試合に出るのは、ちょっと今年は試合に出すぎた」と振り返った。

 ラウンド後には、日本ゴルフツアー機構の青木功会長に肩をポンポンと2度たたかれ、エールを受けた。「ゴルフをやらなきゃ、何やってるんだって、本当にそうなんだよ。何の仕事でもそうだけど、これでいいかなと思ったらそれが人生だよ」。来季については「(下部ツアーの)チャレンジ、シニアに出ます」とし、「来年またここに帰ってきたい。年をとってもいろいろアプローチの仕方があると思うんです」。ベテランが再出発を図る。

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