昨季ツアー4勝と活躍した西村優菜(21)=スターツ=は今季、「3勝&海外メジャー挑戦」を目標に掲げ、3日に始まる開幕戦・ダイキンオーキッドレディス(沖縄・琉球GC)からスタートダッシュを図る。通算9勝で、ホステスプロとして1年ぶりの試合に出場する諸見里しのぶさん(35)=ダイキン工業=が今季の女子ツアーを展望した。
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日本中のゴルフ・ファンが注目する22年ツアーの初戦は、開幕戦ならではの緊張感や難しさがあります。昨季最終戦から3か月以上が空き、選手はオフに取り組んできたことができるのかを試しながらのスタート。クラブや契約メーカーの変更もあり、新しい用具をいかに操れるかも大事になります。今年は4日間とも穏やかな好天予報なので、伸ばし合いの展開を想定します。その上で、昨季賞金女王・稲見萌寧選手と飛距離があり、パターも上手な勝みなみ選手らを中心とした優勝争いを予想します。
琉球GCはフェアウェーからグリーンまで、とてもよく仕上がっています。グリーン上は芽の強い沖縄特有の高麗芝にすごく惑わされやすい。予想以上に曲がったりもします。横風の日が多く、1番から追い風か向かい風かが読みにくい。風次第で、試合展開は大きく変わります。また、根強いティフトン芝のラフも元気に伸びていて、フェアウェーキープも重要になる。
私も所属先からの主催者推薦で、地元で21度目の出場をさせていただきます。年末から準備をして、体も良い状態ですごくワクワクしています。1年ぶりの試合で丁寧になりすぎずに大胆にいくことが目標。予選通過を目指します。契約するテーラーメイドの話題の新製品「ステルス」のウッドを6本、初投入します。球の初速が上がり、横風に負けない力強い球が出る。飛距離も伸びて一球、試打して即決しました。
国内女子ツアーは今季から、賞金ではなくてポイントランクでシードが決まります。選手にとっては大きな変化。毎試合平均なので1ホールも気が抜けない戦い。必然的にツアー全体のレベルも上がると思う。5大メジャーのポイントも加算され、海外挑戦がしやすくなりましたね。
日本女子プロゴルフ協会が出すデータが、この数年でとても詳細になりました。選手にとっては自分の得意、苦手分野がつかみやすい。今季のポイントによる年間女王争いを予想すると、昨年8勝の稲見選手は昨季1位だった平均ストローク70・0514を日本人初の60台に塗り替えようと、さらに高みを目指すと思います。昨季賞金ランク5位の西村優菜選手は、どのデータも上位で総合力が非常に高い。同4位だった西郷真央選手は、ラウンドごとの平均パット数を改善できれば初優勝は目前。まだ20歳で1度勝てれば、どんどん強くなると思います。
楽しみな新人もいます。佐藤心結選手は飛距離があってショット力が高い。双子の姉妹・岩井明愛、千怜選手は体力と潜在能力がある。前半戦で勢いに乗れるかが大事。一方で、ママさん選手の活躍にも注目したい。昨年は若林舞衣子選手が優勝し、下部でも佐藤靖子選手が勝ってとても感動しました。女性アスリートにとって一つの目標。開幕戦で産休から復帰する大西葵選手の活躍も楽しみです。38試合、誰が勝つか分からない熱戦が続くシーズンがいよいよ始まります。(諸見里しのぶ=女子プロゴルファー)