◆日本女子プロゴルフツアー ヤマハレディース 第1日(31日、静岡・葛城GC山名C=6590ヤード、パー72)
北海道出身のルーキー・内田ことこ(加賀電子)は6バーディー、2ボギーの68をマーク。4アンダーで、首位と1打差の3位につけている。
10番からティーオフ。前半を1アンダーで折り返すと、1番から強風の中でショートアイアンがさえ渡った。1番で残り135ヤードから9アイアンで30センチにつけて伸ばした。2番は残り90ヤードから54度のウェッジで1メートル、3番は60ヤードから58度のウェッジで5メートルにつけて3連続バーディー。4日間大会の初日を好位置で終えた。
昨年、知り合った国内男子ツアー48勝の中嶋常幸(67)の指導を受けている。2週前のTポイント×ENEOSでは、ツアー自己最高の4位に入った。同大会最終日には、中盤6連続バーディーを奪って一時単独首位にも立った。だが、15番の第1打を左OBとしてダブルボギーで初優勝を逃した。「終わってすぐは結構、悔しかった。でも、あの位置で終われたことには自信を持てました」と振り返る。ツアー自己最高成績に対する周囲からの反響は大きく「テレビを見た知り合いの人から連絡が来ましたね。『面白かった』と言ってもらって、良かったなと思います。(地元の)南幌町は大騒ぎですね」とほほ笑んだ。
この日も観客から声を掛けられるなど、ショットが得意の道産子ルーキーの注目度と人気は急上昇中だ。Tポイント×ENEOS後、中嶋には電話で報告した。「『一打を悔やむな』と言っていただいた。その通りだな、と思いましたね」と気持ちを切り替えた。
同姓同名の先輩ツアープロがいたため、登録名を平仮名にした珍しいケースの選手だ。本名「琴子」は、49歳の先輩プロがおり「内田琴子2」という登録名の案もあったが平仮名「ことこ」に決めたという。「周りからは見つけやすくなったと言われますし、気に入っています」と柔らかな笑みを浮かべた。
昨年6月のプロテストで合格。昨年の最終予選会26位となり、今季前半戦の出場権をつかんだ。今季目標を「初優勝とシード獲得」と掲げる。4月1日からは昨年、中嶋と知り合った栃木の東松苑GCとスポンサー契約を結ぶ予定という。「すごくありがたいです」と、ツアー初優勝での最高の恩返しも視界に入ってきた。