◆米男子プロゴルフツアー 今季メジャー初戦 マスターズ 第1日(7日、米ジョージア州オーガスタナショナルGC=7510ヤード、パー72)
【オーガスタ(米ジョージア州)7日=岩原正幸】史上4人目の連覇を狙う松山英樹(30)=LEXUS=は3バーディー、3ボギーの72で、首位と5打差のイーブンパー19位につけた。前週大会を首痛で途中棄権して状態に不安を残す中、小技でしのいで好スタートを切った。自動車事故で右足に重傷を負い、2020年大会以来の復帰となるタイガー・ウッズ(米国)は71で10位。任成宰(イム・ソンジェ、韓国)が67で単独首位。
前年覇者の重圧からか、緊張した表情でスタートした松山は初日をイーブンパーでまとめた。1番ティーイングエリアで名前が呼ばれると、周囲を何重にも取り囲んだ観客(パトロン)から大歓声を浴びた。「前の組がウッズだったので、観客がみんなそっちに行って(変な緊張は)何もなかった」と笑ったが、満員のオーガスタで毎ホール、大きな拍手を浴び“主役級”の扱いを受けた。
後半の12番パー3、第1打をクリーク(小川)に打ち込んだが、何とかボギーで耐えた。13番のバーディーで1つスコアを戻すと、距離が20ヤード伸びた15番パー5は残り260ヤードの3ウッドの第2打を「気持ち良く打てた」と8・5メートルに2オンさせ、バーディーを奪った。
「いいプレーはあまりできなかったけど、悪くない」とうなずいた。2・5メートルの好機を逃した16番グリーンで一瞬表情を曇らせたが、17番で拍手で激励され、笑みを浮かべた。パーオン率は全体58位の50%と低調だったが、1、10、17、18番などアプローチでパーを拾い「徐々に自信を持って打てるようになった」と手応えを口にした。
3月上旬に発症した首周辺の痛みで同月10日、プレーヤーズ選手権第1R開始前に棄権。その後、2戦を欠場して復帰した前週テキサス・オープンでも第2R途中棄権するなど状態は万全ではない。「トレーニングがずっとできていなかった。(激しい起伏で)足の方がしんどい」と明かした。それでも「(首の)痛みはほぼない」といい、「先週もそう思っていたら痛くなったので、明日を迎えるのが少し怖い」と正直に語った。
大会前に歴代覇者が集うチャンピオンズディナーのホスト役を務めるなど特別な1週間を過ごす。プレーが始まり「(ディナーとは)違う緊張がある」と松山。第2日へ「少しでも伸ばせれば。良いプレーができるように」と、連覇に向けて懸命に食らいつく。
◆マスターズの連覇
▼ジャック・ニクラウス(米国) 1965、66年。66年初日は「68」で3打差の単独首位発進。最終日「72」で通算イーブンパーの首位に並ばれたが3人プレーオフの末、最年少26歳で初のV2となった。
▼ニック・ファルド(英国) 89、90年。32歳は90年、「71」の7打差12位で滑り出し。最終日「69」で通算10アンダーで首位に追いつき、2年連続でプレーオフを制した。
▼タイガー・ウッズ(米国) 01、02年。02年初日は前年と同じ「70」で3打差15位発進。26歳は前年と同様に第3日に「66」で首位へと浮上し、通算12アンダーで逃げ切った。