渋野日向子とそっくりさん 「黄金世代」の木下彩が大会コース記録の63で2位浮上


18番をパーでホールアウトし笑顔を見せる木下彩。63のコースレコードタイでラウンドした(カメラ 今西 淳)

18番をパーでホールアウトし笑顔を見せる木下彩。63のコースレコードタイでラウンドした(カメラ 今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第2日(23日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6447ヤード、パー71)

 1998年度生まれの「黄金世代」の木下彩(長府製作所)が8バーディー、ボギーなしの63で回り、通算9アンダーとして、第1日の24位からホールアウト時点で2位に浮上した。キレのいいショットと長尺パターを駆使して2度の3連続を含む8バーディーを量産。19年に韓国の申ジエ、今年の初日に高橋彩華(東芝)がマークした大会コース記録に並んだ。昨季の賞金ランク136位で、これまでの最高成績は今年のヤマハレディース葛城の13位の木下は日本屈指の美しいリゾートコースで、一気に初Vを狙う。

 畑岡奈紗(日米10勝)、渋野日向子(日本6勝、全英女子オープン1勝)、勝みなみ、小祝さくら(ともに日本6勝)、原英莉花(日本4勝)、大里桃子(日本2勝)、新垣比菜、河本結、浅井咲希、植竹希望(ともに日本1勝)。これまで10人の優勝者がいる「黄金世代」で、また、11人目の優勝者候補が現れた。ツアー出場優先権を争う最終予選会で9位となり、今季から本格参戦する木下が初Vのチャンスをつかんだ。

 山口県出身の木下は、岡山出身の渋野とジュニア時代から中国地方の大会で顔を合わせることが多く、18年に一緒にプロテスト合格した後、下部ツアーの転戦で行動をともにすることが多かった。「渋野とは中学の時『初めまして』とあいさつしてから気が合った。今は上の人ですけど」と笑う。

 笑顔やスイングは渋野と似ている。「よく言われます。方言が近いので話し方も似てしまう。笑い方を変えます。(渋野と同じ)PINGの帽子をかぶったらヤバいです」とさらに明るい笑顔を見せた。

 「ぶっちゃけトーク」も渋野級だ。

 昨年から使用している長尺パターについて、快活に説明した。「高校生の頃からパットに悩んでいた。素振りは動くのに、ボールを置くと、手が動かなくなった。50センチのカップが遠く見えました。アームロックなどいろいろ試しましたが、去年から思い切って長尺パターを使い始めました。長尺パター、ダサいですよね。でも、入ればいい」

 前日に63の大会コース記録をマークした同期の高橋についても笑顔で語る。「高橋に『どうやったら8アンダー出るの?』と聞いたんですよ。(きょう同じスコアを出して)申し訳ない。あおった感じになってしまいました。後で謝ります」

 ショットもパットも絶好調で優勝争いに参戦。「きょうは百点満点。急にスコアが出てびっくり。『帰り、事故るかも』と心配になった。気をつけて帰ります」。最後も満面の笑みでコースを後にした。

 先週のKKT杯バンテリンレディスでは植竹が初優勝。今週も黄金世代が存在感を発揮している。

 同じく黄金世代のひとりで首位からスタートした高橋彩華は14番まで終了し、通算10アンダーで首位をキープしている。

 15番まで消化の安田祐香(NEC)と松森彩夏(スターツ)、14番まで消化の藤田さいき(チェリーゴルフ)が通算8アンダーの3位。植竹は15番まで消化し、通算6アンダーの6位で続いている。

 ◆木下 彩(きのした・あや)1999年1月13日、山口県生まれ。23歳。10歳からゴルフを始める。2017年に高川学園高を卒業し、翌18年に2回目でプロテスト合格。19年に下部ツアーの中国新聞ちゅーピーレディースカップで優勝。同じ中国地方出身で同学年、プロテスト同期合格の渋野とはジュニア時代から親交がある。趣味はマンガを読むこと。好きな色は白。159センチ、54キロ。

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