◆女子プロゴルフツアー ブリヂストンレディス 第3日(21日、千葉・袖ケ浦CC袖ケ浦C=6713ヤード、パー72)
首位タイで出た西郷真央(20)=島津製作所=が4バーディー、1ボギーの69で通算10アンダーの単独首位に浮上。2戦連続予選落ちから師匠・尾崎将司(75)の教えでよみがえり、今季5勝目に王手をかけた。この日ベスト68で回った有村智恵(34)=フリー=が9アンダーで、山下美夢有(みゆう、20)=加賀電子=とともに1打差2位につけた。
雨上がりでランが出ず、難しい袖ケ浦コースで西郷が粘りのプレーを見せた。「第2打で距離が残ったり、グリーンのスピードが落ちたが、調子に影響は出なかった」。18番は「初めて合格点を出せるショット」と絶賛した1・5メートルに運ぶ第3打でバーディーと攻略。69で1打抜け出した。
パーオンは18回中8回と生命線のショットで苦しんだが、この日最少の23パットと小技がさえた。15番は第2打が風に流されてグリーンに乗せられず「クソっと思った」と珍しく自身への怒りを表現したが、すぐにチップインバーディー。16番では4メートルのパーパットをしぶとく決めた。
3週前のパナソニックオープンで今季4勝目。だが、ここ2週は連続予選落ちに「課題が多すぎて…」と前週後は声を震わせた。今大会前の15、16日には、男子ツアー歴代最多94勝の尾崎将司に直接指導を受けた。師匠にスイングをみてもらい、トップの位置が好調時と違うことを指摘され、修正した。
「調子が悪い時でも(スコアを)まとめられるようにならないとな」と貴重な助言も授かり、「言葉の通りだと思いました。持ち味のショットで頑張りたいところではあるけど、ゴルフはそれだけではない。他でカバーできる技術力がないとダメだと思いました」と殊勝に話した。
男子で1974年から昨年まで同会場で行われた伝統の大会「ブリヂストンオープン」では、ジャンボが1988年、97年に2勝した。今年から会場を移した女子で、21世紀生まれのまな弟子が奮闘中だ。西郷は「ジャンボさんに教えていただいたことを生かせる良い機会なので、自分を信じて頑張りたい」。師匠の思いに報いる勝利で、2週後の次戦、全米女子オープン(6月2日開幕)に弾みをつける。(岩原 正幸)