大岩龍一、強風も「大砲作戦」で首位浮上…ベストスイング心がけ有言実行8バーディー


7番、バーディーパットを沈めキャディーとグータッチする大岩龍一(カメラ・豊田 秀一)

7番、バーディーパットを沈めキャディーとグータッチする大岩龍一(カメラ・豊田 秀一)

◆男子プロゴルフツアー ▽ミズノオープン 第2日(27日、岡山・JFE瀬戸内海GC=7461ヤード、パー72)

 ツアー本格参戦2季目で未勝利の大岩龍一(24)=フリー=が8バーディー、1ボギーで、この日のベストスコア65をマークし、通算9アンダーで首位に躍り出た。昨季賞金ランク23位と躍進した新鋭が、強風をものともしない“大砲作戦”で猛チャージに成功。昨年大会では、わずか1人の差で逃した全英オープン(7月)切符の奪取を堂々宣言した。1差2位で出たA・クウェイル(27)=キャロウェイゴルフ=が首位で並んだ。

 大岩が堅固な意志と体から繰り出す強いショットで難条件を打破した。岡山・笠岡市はこの日、最大瞬間風速7メートル超の強風下。フェアウェーの狭いコースは難しさを増したが、プロ5年目は最多8バーディーを量産。「風やコースが狭いからと、プレッシャーにしても仕方がない。狙った方向に対して、自信を持ってベストスイングするだけ。大砲作戦。そのイメージでプレーした」と胸を張った。

 賞金王5度の片山晋呉らを指導し、高校1年時から師事する谷将貴コーチと磨いてきた精神と技術が光った。初日最高難易度の14番こそ8メートルを沈めたが、“OKバーディー”を含む1メートル以内が4つ、4メートル以内が3つ。不動心と182センチ、92キロの恵まれた体格によるスイングで攻略した。

 20―21年季はツアー22戦し、昨年は序盤11戦でトップ10を7度。最終日最終組も3度あったが頂点に届かなかった。「プレッシャーがかかると飛距離を出そうと風に逆らったり、ラフから強く打とうとしていた」。スイング改造、球筋のバリエーション増に取り組んだオフの効果が結実。「今日は風が強くなる予報でも、絶対に8個バーディーを取ると決めていた」と有言実行した。

 昨年大会は過去最高タイの3位も、全英出場資格が例年より少ない上位2人で惜しくも逃した。今大会は上位4人で“雪辱”の現実味が増す。「去年は1人差で負けて出られなかったので、絶対に出たい」。夢の海外メジャー初出場、そしてツアー初Vへ。決勝ラウンドも迷わず、ガンガン攻め抜く。(宮崎 尚行)

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