◆日本男子プロゴルフツアー メジャー初戦 BMW日本ツアー選手権森ビル杯 プロアマ日(1日、茨城・宍戸ヒルズCC西C=7387ヤード、パー71)
サウジアラビア政府系ファンドの支援で実現する超高額賞金の新ツアー初戦(9~11日・英ロンドン)に谷原秀人選手会長、木下稜介、香妻陣一朗の日本人選手3人が出場することが1日、新ツアー側から発表された。国内メジャー開幕を翌日に控えた3選手は、それぞれ新ツアー出場へのいきさつなどを語った。
今年1月から選手会長に就任した谷原は、過去に欧米ツアーにも参戦経験がある43歳。日本ツアーでも16勝を挙げているパット巧者のベテランは「新ツアーがどんなものかを見てみたいし、良いところは日本ツアーに持ち帰りたい。ゴルフ界が盛り上がっていくのに対して、何をどうしていくんだろうと」と約1か月前に参戦を決断した背景などを説明した。
木下は、米ツアーが新リーグに参戦した選手に対して制裁を与えるのでは、という報道などもあり「出場に関しては正直、迷いました。でも、海外トップ選手のプレーを間近で見ることは、学ぶことがとても多い。世界トップランカーと一緒に戦えるので、自分のレベルアップにもつながるので楽しみ。とても貴重な機会。出るからには頑張りたいです」と素直な胸中を明かした。
香妻は、今季日本ツアー1勝で5月の全米プロ選手権で自身初のメジャー出場も果たした。「出られる試合は出ようかな、と。参加者を見たらトップ選手が多かったですし。優勝したら5億円? すごい試合ですよね」と、セルヒオ・ガルシア(スペイン)、ダスティン・ジョンソン(米国)らメジャー王者が名を連ねた豪華なフィールドに目を輝かせた。
同週には日本ツアーの新規大会、ASO飯塚チャレンジドゴルフトーナメント(9~12日、福岡・麻生飯塚GC)が行われる。同大会への出場権も持っていた3選手は、日本ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)に「海外トーナメント出場届」を既に提出し、新ツアーへの出場が認められたという。
米男子ツアー1勝でJGTOの青木功会長は、日本ツアー選手の新ツアーへの参戦を容認する考えを語った。「チャンスは自分で頑張って作るもの。(新ツアーに)行くか行かないかは本人次第。世界を経験して、本人が大きくなれるのであればいいこと」と、積極的に海外ツアーに参戦してきた自身の経験ももとにうなずいた。
新ツアーは8大会を予定。個人戦と団体戦が行われるロンドンでの開幕戦には、48選手が出場予定。新ツアー会社のトップは殿堂入り選手グレグ・ノーマン(オーストラリア)が務める。賞金総額は2億5000万ドル(約32億円)以上とされている。既存の米男子ツアーは反発し、新ツアーへの参加選手は追放するなどと通告していた。