丸山茂樹の長男・ショーン上々の71ツアーデビュー 見守った父も「よしっ」


10番、父・茂樹(右端)と青木功(左端)が見守る前でティーショットを放つ丸山奨王(カメラ・今成 良輔)

10番、父・茂樹(右端)と青木功(左端)が見守る前でティーショットを放つ丸山奨王(カメラ・今成 良輔)

◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ ▽第1日(18日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7178ヤード、パー72)

 日米ツアー通算13勝の丸山茂樹(52)の長男・奨王(ショーン、22)=フリー=が、プロとしてのツアーデビュー戦に挑み、71の1アンダー31位と上々のスタートを切った。強い雨の中、3バーディー、2ボギーで回り、会場で見守った父も「よしっ」とうなずく好ラウンド。92年8月にデビューした父に続き、ツアーで初の予選通過を狙う。金谷拓実(24)=Yogibo=が16番でプロ初のエースを達成し、66の6アンダーで首位。

 ショーンがプロとしての一歩を堂々と踏み出した。最終9番で約50センチのパーパットを沈めると雨にぬれた髪をかき分け、張り詰めた表情を崩して、やっと笑みをこぼした。アマチュア時代の18年大会初日に並ぶ好スコアの71。「すごい緊張して前半はバタバタしたが、アンダーパーで回れて良かった」。9番のグリーン周りにいた父・茂樹は、心配から最終パットでは背を向けたが「まずは、よしっ」と目を細めた。

 朝の練習場では「丸ちゃんの息子はどんな?」と、最も多い約30人の観客が集まった。6月にプロ転向した22歳は熱視線を浴びる中、出だし10番パー4の第1打はドライバーではなく、3ウッドを握った。「緊張でヒールに当たった」というが、ボールは堅実にフェアウェーを捉え、ドライバーで打った同組選手より飛ばし、ショートゲーム巧者の父とは違うスタイルで魅了した。第2打は169ヤードからピン約20センチへのスーパーショット。いきなりバーディーで沸かせ、実力の片りんを見せつけた。

 「雨がほとんど降らない」という米カリフォルニア州で生まれ育った。18、19年大会は不慣れな雨の影響で予選落ちしており、父も「そこが心配だった」。11番は第2打をバンカーに入れ、12番の第1打は2本のクラブで迷ってグリーンを外し連続ボギー。「雨が嫌だなと思って。焦ってリズムが崩れた」。だが、事前に雨対策で「(打つ)方向を意識して振りなさい」と父が授けた助言が奏功。雨脚が強まった後半の5番で2メートル、6番で3メートルにつけるバーディーで踏ん張り「ズルズルいかなかった。(この3年で)成長できた」とうなずいた。

 父はプロでツアーデビューした92年8月のダイワKBCオーガスタで70の20位で滑り出し48位で賞金44万3000円を獲得した。「いつか父と同じ土俵に…」と掲げるショーンも当然、ツアー3戦目で初の予選突破を狙う。「後半でいい流れになった。明日も頑張りたい」。多くの期待を背に、上昇を誓った。(宮下 京香)

 ◆丸山茂樹のプロ転向後のツアーデビュー戦 1992年8月の「ダイワKBCオーガスタ」(福岡・芥屋GC)。プロ初日は3バーディー、1ボギーの70で首位と6差の20位と好発進。2日目は3バーディー、1ボギー、1ダブルボギーの72とパープレーにまとめ、7差の24位で予選通過を果たした。第3日は2バーディー、4ボギー、1ダブルボギーの76と崩れて45位後退。最終日は3バーディー、4ボギーの73で通算3オーバーの48位で終えた。初賞金44万3000円を手にした。

 ◆丸山 奨王(まるやま・しょおん)2000年6月2日、米ロサンゼルス生まれ。22歳。4歳の時、父の影響でクラブを握り、10歳で本格開始。16年ウェスタン・ジュニア選手権で優勝。今年6月にUCLA(カリフォルニア大ロサンゼルス校)を卒業し、プロ転向。ドライバーの平均飛距離は300ヤード。名前は父が好きな英国の俳優ショーン・コネリーが由来。ツアー登録上、「奨王」は「しょおん」ではなく「ショーン」と読む。173センチ、67キロ。家族は両親。

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