国内女子ゴルフツアーの今季メジャー第2戦、日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯は8日から4日間、京都・城陽CC(6555ヤード、パー72)で開催される。昨年大会覇者の稲見萌寧(23)=Rakuten=は「連覇ができたら一番うれしい」と、55回目を迎える大会史上で1977年の樋口久子以来、45年ぶり2人目の快挙に向け気持ちを高めた。
9ホールのプロアマ戦を回り終えた稲見は「アップダウンのあるコースでラフもあり、フェアウェーが狭く感じる」と、難設定を警戒した。毎年異なる会場で行われる女子プロ最高峰を争う今メジャー。コース相性が反映されにくく、連覇は困難とされる。だからこそ、やりがいもある。
5日に、かねて不安を抱えていた腰痛が再発した。「トレーニングの後に痛くなり、一球もフルショットができず休んだ」。この日はテーピングを施しプレー。「悪化しないように」と、細心の注意を払う。
満身創痍(そうい)で偉業に挑む。今大会を連覇したのは68~74年、76、77年の9勝を挙げた樋口久子だけ。88年のツアー制施行後では初の快挙だ。稲見は「普通の試合でも連覇は難しい。狙ってできるものではない」としながら「メジャーで勝つのも大変だけど、連覇ができたら一番うれしい」と見据えた。
ソウルフードに感動 2週前のニトリレディスでは、ツアー12勝目を初の連覇で飾り「1回達成できたので、前例を作るより確率は上がるのかな」と昨年の再現を狙う。茨城・静ヒルズCCで行われた昨年は最終日に64をたたき出し、大会記録19アンダーで逆転でメジャー初制覇した。
今年は「京都初上陸」と笑い、前夜は京都産のソウルフード「九条ネギのすき焼き」でエネルギーを注入し、「すごくおいしくて感動した」とにんまり。「ゴルフ場とホテルの行き来」という転戦生活で「一番の楽しみはご当地のおいしいものを食べること。京都は何があるんですかね?」と“逆取材”する余裕も見せた。
「希望は初日からスコアを出して勝ちたい。ベストを尽くして、耐えていければ」。稲見のように右に曲がる球筋のフェードヒッター有利という声もある。腰の不安をはねのけ、歴史に名を刻む。(岩原 正幸)