19歳133日・川崎春花がツアー&メジャー初V 地元・京都で大会最年少に「全然信じられない」


最終日、18番で第2打を放つ川崎春花(カメラ・岩田 大補)

最終日、18番で第2打を放つ川崎春花(カメラ・岩田 大補)

◆女子プロゴルフツアー 今季メジャー第2戦 日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯 最終日(11日、京都・城陽CC=6555ヤード、パー72)

 新人の川崎春花(フリー)がツアー自己ベストの64で回り、通算16アンダーで逆転でツアー&メジャー初優勝。19歳133日で大会最年少Vを達成した。地元・京都で4打差4位から出ると観客の声援を背に1イーグル、6バーディー。昨年11月のプロテストに合格した思い出の会場で、ツアーわずか11戦目の新鋭が女子プロの頂点をつかんだ。山下美夢有(21)=加賀電子=は71で13アンダー2位。

 あどけなさの残るニューヒロインが大仕事をやってのけた。川崎は最難関18番を8メートルのバーディー締め、右手でガッツポーズ。地元の大歓声に「鳥肌が立った」と驚きの表情を浮かべた。19歳133日で大会最年少優勝を果たし「全然信じられない。実感が湧かない。地元で優勝できてうれしい」と涙なしで喜んだ。

 首位と4差でスタートした最終日、8番で第2打をカップに入れるイーグル。後半は12番から4連続バーディーの快進撃だ。「リーダーボードもあり(順位は)把握していた。目の前の一打に必死で緊張はなかった」。13番で4人が並ぶ首位、15番で初めて単独首位に立ったが冷静だった。17番で「入れたらもしかしたら(勝てる)」と優勝を意識した1・5メートルの好機を沈めた。自己最少の64で、メジャー連勝を狙った山下ら先輩プロをねじ伏せた。

 城陽CCは昨年11月にプロテストを通った場所で「練習を含めて10回くらい回った」と熟知していた。10か月前、2日目に合格圏外となり、涙を流しながら打った練習場はいい思い出に変わった。今大会は7月の予選会からはい上がり、「京都で初めての試合で気持ちも入っている」。自宅から通う大会中も「道路の感じは碁盤の目といわれるくらいなので、京都に帰ってきたな」と話し、ホームで躍動した。

 プロ1年目の今季は中高生時代から悩まされる腰痛に泣き、10戦中6戦で予選落ち。「ゴルフもメンタルもすごく苦しかった」というが、腰に負担のかからない以前のスイングに戻し、奏功した。8月下旬に下部ツアーを制すると勢いに乗り、一気にビッグタイトルをつかみ、3年シードを手に入れた。畑岡奈紗に次ぐ10代のメジャー覇者、03年度以降生まれでは初のツアー優勝者になった。

 ショートアイアンが得意で、これからは「多くの方に応援される、すてきなプロになりたい」。憧れは通算12勝で、よく練習ラウンドをともにした稲見萌寧(23)。今大会の優勝者として続き「うれしい」と目を輝かせた。気温32・6度の中、アップダウンの激しいコースで戦いを終え「母の作るご飯が食べたい。何でもおいしいけど、みそ汁です」と息をついた。女子ツアー界に、無限の可能性を秘めた「はんなり(明るく気品を備えた)ルーキー」が誕生した。(岩原 正幸)

 ◆川崎の記録アラカルト

 ▽大会最年少優勝 19歳133日で、14年大会の鈴木愛の20歳128日の記録を更新。

 ▽メジャーで10代優勝 畑岡奈紗に続く2人目。畑岡はアマチュア時代の16年に日本女子オープンを17歳263日で制し、プロ転向後の17年に同大会を18歳261日で連覇している。ツアーでは勝みなみが15歳293日で、14年KKT杯バンテリンレディスを制している。

 ▽初出場で初優勝 14年鈴木愛以来、8年ぶり5人目。

 ▽初の予選会からの初優勝

 ▽初の地元V

 ◆川崎 春花(かわさき・はるか)

 ▼生まれ、サイズ 2003年5月1日、京都市生まれ。19歳。家族は両親と姉。158センチ、51キロ。

 ▼ゴルフ歴 7歳から父と姉の影響でゴルフを始める。大阪学院大2年時の20年全国高校選手権春季で優勝。21年日本女子オープン11位。同年11月のプロテスト合格。ドライバーの平均飛距離は240~250ヤード。

 ▼趣味 音楽鑑賞。「最初はおいしいものを食べること、だったけど変えた(笑い)」

 ▼名前の由来 父によると、春花が生まれる直前に病気で亡くなった祖父が5月生まれにちなんで名付けたという。

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