◆女子プロゴルフツアー 住友生命レディス東海クラシック 第1日(16日、愛知・新南愛知CC美浜C=6502ヤード、パー72)
8月の全米女子アマチュア選手権を日本勢で37年ぶりに制した注目アマ・馬場咲希(17)=代々木高2年=が優勝後初のツアーに出場し、1バーディー、5ボギーの76で4オーバーの91位と苦戦した。それでも、約500人のギャラリーを引き連れ、大人気ぶりを証明。ショット、パットを修正し、国内3戦連続の予選通過に向け、巻き返しを図る。後藤未有(21)が7アンダーで首位。
全米女子アマの歓喜から約1か月、馬場の凱旋試合初日はほろ苦いものとなった。最終18番、第1打を左の池に入れボギー。76とプロツアーの“洗礼”に「フェアウェーキープ(14回中4回)できず、ラフからのショットも良くない。うまくいかない」と肩を落とした。
ただ、注目度はプロをしのぐものだった。午前7時50分のスタートにもかかわらず、試合前の打撃練習場から約100人が熱視線を送った。ツアー屈指の人気を誇る原英莉花(23)、夏に2勝の岩井千怜(ちさと、20)と同組で、1番ティーイングエリアには約500人の観客が詰めかけた。そのまま引き連れ、コースは世界一アマ見たさに“大名行列”状態に。19年に渋野日向子が全英女子オープン制覇後に巻き起こした“しぶこフィーバー”を思い起こさせた。
「こんなに見てもらったのは初めて」と馬場。注目されるのを好むタイプと公言し、「緊張はあまりしなかった。スコア的には悔しいが、楽しかった」と振り返った。苦しんだのはティーショットとグリーン上。1番から右ラフに打ち込み、第2打で後方に木があり、満足にクラブを振れない不運もあった。パット数は33。「悩んだまま試合を迎えてしまった」と悔やんだ。
8月末には猛暑のフランスで世界女子アマ(3位)を戦った。調整はしてきたが、体重は春先から6キロ減り、飛距離は20ヤード弱落ちた。その中でも高い球は健在だった。同じ飛ばし屋で69と好発進した原のプレーに「将来、こういうふうなゴルフがしたい。ラフからも簡単そうに打って、すごく参考になった」と17歳は学びを収穫に挙げた。
15番パー5は2オンから初バーディーを奪い、思わず、こん身のガッツポーズ。「最終日最終ホールくらいうれしかった」と笑った。ラウンド後はショット、パットを入念に修正。「切り替えて、明日は自分の中で(狙い所を)決めて、迷わずやりたい」と巻き返しを誓った。(岩原 正幸)