◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 第3日(17日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)
31歳の誕生日を迎えた石川遼(カシオ)が2イーグル、3バーディー、3ボギーの68と伸ばし、通算12アンダーで5位に浮上した。11年ぶりの1ラウンド複数イーグル。首位と6打差に縮め、優勝争いに食らいついた。最終日は自身過去最大に並ぶ6差逆転で、2015年大会以来、7年ぶりのバースデーウィークVを狙う。池田勇太(36)=フリー=が18アンダーで首位を守った。
石川らしい攻めのゴルフで、31歳の誕生日を祝った。5番パー5。ドライバーでフェアウェーに運ぶと、残り205ヤードから5アイアンで奥10メートルに2オン。下りのスライスを決めて大歓声に右手を上げた。12番パー5も2オンし12メートルを沈めた。イーグル2つを含め、4つのパー5で伸ばし、「両方ともショットも良く、パターはラインの読みが当たりまくり。3つ目が取れたら最高だったな」。09年大会最終日、11年ミズノオープン第3日に続く3度目の1R2イーグルに、はにかんだ。
1番ティーで「誕生日」と紹介され、ファンから「おめでとう!」と祝福された。第1打をいきなり右の林に入れ、ボギーでヒヤリとした。だが、その後のイーグルで流れを好転させての68。「いいゴルフはできていた」と胸を張った。
この大会の出場中に誕生日を迎えるのは6度目。ラウンド後は祝杯を上げると思いきや「何もないんですよ」と首を横に振り、「30歳の昨日と変わらず。トレーニングと、ご飯を食べます」と淡々。普段から髪のケアにも気を使い、「炭酸シャンプーが欲しい。頭皮がスッキリするらしくご褒美で自分に買います」と笑った。
5位に浮上し、首位の池田と6打差。10年の中日クラウンズでは6打差18位からの58でひっくり返している。24歳だった15年以来のバースデーウィークVへも「あと18ホールある。『まだやるぞ』という気持ちの選手はいると思うが、僕もその一人」。大逆転劇の再現に挑戦する。(宮下 京香)
◆石川の逆転優勝 通算17勝中6勝。10年中日クラウンズは自身最大となる6打差18位から世界新(当時)の58を記録し、大逆転。アマ時代の07年マンシングウェアKSBカップは4打差9位、19年日本プロも4打差6位、08年マイナビABC選手権は3打差3位から。他に2打差逆転が2度ある。