◆男子プロゴルフツアー ANAオープン 最終日(18日、北海道・札幌GC輪厚C=7063ヤード、パー72)
強い雨が降る中、最終ラウンドが行われ、大槻智春が通算19アンダーで並んだ石川遼とのプレーオフ(PO)を制し、5打差をひっくり返して逆転優勝。2019年関西オープン以来、3年ぶりのツアー通算2勝目を飾った。「プレーオフになった時点で勝ちか負けしかないと思っていた。冷静に落ち着いて、その場の雰囲気を感じながらできていた」と胸を張った。堀川未来夢や星野陸也ら後輩プロがグリーン周りに残ってくれて「おめでとう」との祝福に「ありがとう」と応え、笑顔がこぼれた。
18番パー4で行われたPOは、フェアウェーから第2打をピッチングウェッジでピン右奥4メートルに着弾させ、球はバックスピンで戻り、そのままカップイン。「オー」という大歓声が湧き、状況を把握すると、驚いた表情でキャディー、石川とハイタッチで喜びを分かち合った。「本当はベタピンについてパットを入れて優勝と考えていたんだけど…一番びっくりしました」とニッコリ。「いいショット過ぎて手応えもあったので、ピンに当たらなかったら、グリーンの外に出ていたかも。ラッキーでしたね」と喜びをかみしめた。
昨季ツアーで2位が4回、3位が2回。総合的な実力を示すメルセデス・ベンツトータルポイント1位に君臨したが、惜敗が続いた。今季も5月のゴルフパートナー・プロアマPOで敗れるなど2位が3回。「去年も今年も勝てそうで勝てない。毎週、毎週悩んでいました」。ゴルフ場を離れれば大好きなお酒で気分転換していたが、「ゴルフ場にいる間は考えちゃって」と苦境を振り返った。
その中でようやく2勝目に手が届いた。それも通算17勝の石川、同21勝の池田勇太らとの優勝争いを制しての勝利。来年以降で欧州ツアー挑戦をもくろんでおり、メジャー優勝などで得られる複数年シードが次なるターゲットだ。12月の日本シリーズJTカップ(1日開幕・東京よみうりCC=報知新聞社主催)の出場権も手にし「毎年出たい試合」と分厚い胸を張る。賞金ランクも比嘉一貴に続く2位に浮上。「2勝、3勝としたいし、メジャーで勝ちたい」とシーズン終盤戦へ、決意を新たにした。