小林伸太郎が14年目のツアー初V「生まれ育ったこの地で優勝できて良かった」


最終ラウンドの10番、ティーショットを放つ小林伸太郎

最終ラウンドの10番、ティーショットを放つ小林伸太郎

◆男子プロゴルフツアー バイ・ザ・プレーヤーズ 最終日(9日、群馬・ザ・レーサム=7137ヤード、パー71)

 スコアを得点化するステーブルフォード方式で24年ぶりに行われ、地元・群馬出身のプロ14年目、小林伸太郎(栃木ミサワホーム)が計41点で逃げ切り、初代王者となるツアー初優勝を飾った。5バーディー、2ボギー68で回り8点を加算。この日観戦した、自身をゴルフに導いてくれた父、天国の母へ感謝の思いを届けた。大岩龍一が36点で2位。

 群馬でのツアー開催は2008年以来14年ぶり。09年にデビューした小林は「生まれ育ったこの地で優勝できて良かった」と14年目の初Vを喜んだ。16番グリーンで一時、同組の大岩に3点差に迫られたが、直後に2・5メートルを沈め5点差をつけた。「十何年やって、やっと勝てた。途中苦戦したけど、皆さんの声援で頑張れた」。872人の観客のうち、小林の身内や知人、スポンサー関係で100人は超えていた。

 16年のツアーでは最終組を単独首位で迎えたが、片山晋呉に1打差敗れ2位。17年にシードを喪失したが「辞めようと思ったことはない。応援してくださる方がいる限りは続ける」。下部ツアー優勝もない、36歳の苦労人が花を咲かせた。

 実家はコースから車で15分。父・光治(みつじ)さんの影響で10歳で競技を始め「父と二人三脚。母は送り迎えをしてくれた」。7年前、病気で母・喜代美さんを亡くした。「ツアーに出場したての頃でした」と、しんみり。「両親はゴルフをさせてくれて、プロゴルファーとして道しるべをしてくれた」と感謝した。

 今大会は変則のポイント制で争われ「ダボを打たないので自分に合う」と言った。初Vで12月の最終戦メジャー、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)に初出場を決め「緊張するが、うれしい。どんなコースか知らないので下調べしたい」と待ち望む。実直な受け答えで誰からも応援される男は3人の子どもから「パパ、おめでとう」と祝福され、うれしそうだった。

 ◆小林 伸太郎(こばやし・しんたろう)1986年8月22日、群馬・高崎市生まれ。10歳からゴルフを始める。栃木・佐野日大高3年時の日本ジュニア優勝。東北福祉大3年の2007年には日本アマ優勝。09年プロデビュー。16年マイナビABC選手権の2位がこれまでの最高。17年にシードを喪失したが、昨季トップ10が2回で賞金ランク49位に入り4季ぶりのシード復帰。177センチ、87キロ。

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