小祝さくら13人目ノーボギーV呼んだ勝負魂!4人並んだ17番7メートルバーディー


表彰式で、優勝トロフィーを手に笑顔を見せる小祝さくら(カメラ・竜田 卓)

表彰式で、優勝トロフィーを手に笑顔を見せる小祝さくら(カメラ・竜田 卓)

◆女子プロゴルフツアー ▽スタンレーレディスホンダ 最終日(9日、静岡・東名CC=6570ヤード、パー72)

 第2ラウンド(R)の残りと最終Rが行われた。最終Rを首位で出た小祝さくら(24)=ニトリ=が通算12アンダーで逃げ切り、ツアー通算8勝目を飾った。2バーディー、ボギーなしの70と粘り、5月に続く今季2勝目。54ホール以上の競技でボギーなし優勝は記録の残る1990年以降、史上13人目。大会では初となった。菅沼菜々(22)=あいおいニッセイ同和損保=ら3人が1打差2位。

 17番パー4、小祝が勝負に出た。菅沼、永井花奈、西郷真央と4人が首位に並ぶ中で「ここで決めないとな」。表情は変わらずも、胸の内では勝負師の闘志に火がつき、7メートルのバーディーパットを強気に決めた。混戦を抜け出すと、18番はパーで逃げ切り優勝。拳を握ることもなく、小畑貴宏キャディーと静かにハイタッチした。大会初のボギーなしVに「耐えた一日。意外とノーボギーで終われた」と胸を張った。

 雨が降り出した16番で“運気”がアップした。3ウッドのヘッドカバーにする大好きなキャラクター「ケアベア」をとっさにバッグにしまった。腹部の虹の絵柄には「希望と幸せ」などの意味があり「ぬれるとあんまり良くないかな」。瞬時の判断が奏功したのか、続く17番の単独首位浮上につながった。当初、プレーオフは18番パー5で予定されていたが、それを回避。高低差が激しいコースで「キツイ」とバッグを担ぐ小畑氏の奮闘にも応えた。同氏は「勝負がかかったら芯の強さがある」と感謝した。

 54ホール・ノーボギーには、大事な局面で崩れない安定したショットがあった。最終日はグリーンを18回中3度しか外していない。今週は吉田直樹コーチと話した上で、朝の練習場でもヘッドカバーを体の右前に置き、テイクバックで内側から下ろさずに「手を返したり、開いたりする」という癖を直すスイングを繰り返した。小祝は「そのおかげでショットの安定感が良くなった」とうなずく。

 優勝賞金2160万円を加え、今季の獲得賞金は9874万6375円に。2季連続のシーズン1億円突破へ前進した。今季初Vでは「ケアベア10体」の購入を明言したが、この2勝目のご褒美は電動自転車だという。「コンビニや練習に行く時に使う」と勝負師と相反した“ほんわかトーク”で優勝会見を和ませた。

 今季は残り7戦。「今年やってきたゴルフの精度を上げていきたい」。スイング変更など「チャレンジ」と掲げた1年。最終戦まで挑み続ける。(宮下 京香)

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