36歳小林伸太郎 地元の群馬でツアー初V「父と二人三脚。母は送り迎えしてくれた」


最終ラウンドの10番、ティーショットを放つ小林伸太郎

最終ラウンドの10番、ティーショットを放つ小林伸太郎

◆男子プロゴルフツアー バイ・ザ・プレーヤーズ 最終日(9日、群馬・ザ・レーサム=7137ヤード、パー71)

 スコアを得点化するステーブルフォード方式で24年ぶりに行われ、地元・群馬出身のプロ14年目、小林伸太郎(36)=栃木ミサワホーム=が計41点で逃げ切り、初代王者となるツアー初優勝を飾った。5バーディー、2ボギー68で回り8点を加算。この日観戦した、自身をゴルフに導いてくれた父・光治(みつじ)さん、天国の母・喜代美さんへ感謝の思いを届けた。大岩龍一(24)=フリー=が36点で2位となった。

 群馬でのツアーは2008年以来14年ぶり。09年デビューの小林は「生まれ育ったこの地で優勝できて良かった」とかみ締めた。大岩を5点差退け「やっと勝てた。苦戦したけど、声援のおかげ」。872人のうち身内や知人、スポンサー関係で100人は超えていた。17年にシードを喪失したが「やめようと思ったことはない。応援してくださる方がいる限り続ける」。36歳の苦労人が花を咲かせた。

 実家はコースから車で15分。この日は父が会場で見守った。10歳で競技を始め「父と二人三脚。母は送り迎えをしてくれた」。7年前、病気で母を亡くした。「優勝は見せられなかったけど、最初の頃にツアーで戦う姿を見せられた。両親はゴルフをさせてくれて、プロとして道しるべをしてくれた」と感謝した。

 日本S決定 今大会は変則のポイント制で争われ「ダボを打たないので合う」と言った。12月の最終戦メジャー、日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)に初出場を決め「うれしい。どんなコースか知らないので下調べしたい」と待ち望む。実直な受け答えで誰からも応援される男は3人の子どもや地元のファンに「おめでとう」と祝福され、両手を上げて喜んだ。(岩原 正幸)

 ◆小林 伸太郎(こばやし・しんたろう)1986年8月22日、群馬・高崎市生まれ。36歳。父の影響で10歳からゴルフを始める。栃木・佐野日大高3年時の日本ジュニア優勝。東北福祉大3年の2007年に日本アマ優勝。09年プロデビュー。16年マイナビABC選手権2位。昨季賞金ランク49位で4季ぶりにシード復帰。177センチ、87キロ。

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