◆ゴルフ◇全日本大学スーパーリーグ 最終日(2日、兵庫・三木GC)
最終ラウンドが行われ、女子団体戦は東北福祉大が合計598ストロークで優勝した。初日は9打差5位発進と苦しいスタートも、宮城県出身の郡山瞳(3年)が4バーディー、1ダブルボギーの2アンダー70で回るなど全員が奮起。明大と同スコアで並んだが、5人目を含めた合計ストロークで上回り、大会初制覇を果たした。また、男子団体戦は3位だった。
5人全員が目を丸くした。試合後の表彰式。女子団体戦で東北福祉大の優勝が告げられると、全員でハイタッチをかわした。9差5位からの逆転初Vに「うれしいです」と郡山。写真撮影では笑顔で「1」を作った。
初日は5選手が誰もアンダーパーでは回れず、上位4選手のスコアは309(計21オーバー)。中心選手と目された郡山も6オーバー78と苦しんだ。不調の原因はドライバーだ。ティーショットが曲がり、4回もOBをたたいた。
巻き返しを狙ったこの日のスタート前、コーチを務めるツアー通算7勝の佐伯三貴(38)から「ショットを打つ前にスクワットジャンプをするように」と助言を受けた。「重心が浮き、フワフワしていた。スクワットジャンプをすれば、重心が下がる。おかげで一つもOBがなかった」。1打目が安定し2アンダー。的確な助言を授けてくれた佐伯に感謝した。
奮起を誓ったのは、郡山だけではない。5人全員だ。1年時から試合に起用されてきた益田世梨(2年)は、先月下旬の常陸宮杯大学選手権でメンバー外。チームは8連覇を逃した。初日4オーバー76だった益田は、2バーディー、ボギーなしの2アンダー70。「常陸宮杯はメンバーから外れて悔しかった。試合で初のノーボギーはうれしい」と声を弾ませた。
大学で初の団体戦出場となった沢田珠里(1年)は3オーバー75で、スコアが採用される上位4選手には入れず。ただ、2位発進の明大と上位4選手の合計ストロークは同じ。結果的には、5人目の沢田のスコアが勝敗を分けた。「自分のスコアが採用される可能性もあると思っていた」と胸をなで下ろした。
うれしい大会初制覇にも、島田紗は「来年は団体戦に貢献できるように」。佐藤美優(ともに3年)は「来年は最上級生として引っ張って行けるように」と意気込んだ。世界水準の選手育成を目的に難コースの三木GCで開催された今大会。好結果にも満足することなく、さらなる成長を目指す。(高橋 宏磁)
◆全日本大学ゴルフスーパーリーグ 世界水準の選手の育成と大学ゴルフの強化を目的とし、21年4月に一般社団法人全日本大学ゴルフスーパーリーグが発足。同名称での開催は初めてで、今回は全国から14大学が参加。男女とも5選手までの出場を認め、団体戦は上位4選手の2日間(36ホール)の合計ストロークで順位を決定。同様に2日間(36ホール)で個人戦も行った。女子団体戦は東北福祉大と明大が同ストロークで並んだが、5番目の選手のストロークで上回ったため東北福祉大が優勝。
〇…3位発進だった男子は合計577ストロークで優勝した日大に5打届かず3位に終わった。個人戦23位タイで出た岡田晃平(3年)は8バーディー、3ボギーの5アンダー67。今年の日本アマで優勝した期待の逸材が実力を発揮したが、及ばなかった。岡田は「内容には納得していない。いつものようにプレーできずに悔しい」と唇をかんだ。