岩井千怜、イーグルで米ツアー1勝へ弾み 3ウッドに鉛5枚で重さ調整「久しぶりにいい当たり」


2番、ティーショットを放ち打球を見つめる岩井千怜(カメラ・渡辺 了文)

2番、ティーショットを放ち打球を見つめる岩井千怜(カメラ・渡辺 了文)

◆全米女子プロゴルフ協会公式戦 TOTOジャパンクラシック 第2日(4日、滋賀・瀬田GC北C=6616ヤード、パー72)

 今季国内2勝のルーキーで、初出場の岩井千怜(ちさと、20)=ホンダ=が、1イーグル、4バーディー、2ボギーの68と伸ばし、通算6アンダーで首位と4打差の8位に浮上した。ショットの復調に急場しのぎで3ウッドに鉛を5枚貼って重りを調整。13番パー5で会心のイーグルをかっ飛ばして流れに乗った。73年に創設された日米共催大会で優勝なら、日本選手初となる初出場初制覇の快挙。大会2勝の上田桃子(36)=ZOZO=が10アンダーで単独首位。

 初出場のルーキー・岩井が、堂々の上位争いだ。1つ伸ばして迎えた13番パー5(476ヤード)。残り238ヤードからの第2打を3ウッドで「バーン」と振りちぎった。会心の当たりで球はピンそば約80センチに2オン。イーグルを奪った。「久しぶりにすごいいい当たりで飛んでいったので気持ち良くてうれしかったですね」。68と伸ばし、満面の笑みでラウンドを終えた。

 8月にツアー2連勝した注目の新人。実は秋に入り3ウッドの不調に悩まされていた。2週前のマスターズGCレディース初日の15番は「左にダフって」池に入れてのボギー。「ダフったり、トップしたりが多かった」。今週、契約するヨネックスの担当者の提案で、構えた時にヘッドの底になる部分などに鉛を5枚貼って調整し「思い切って振れて(感触が)良かった」。

 3年ぶりに日米共催で行われ、岩井は米女子ツアー初出場となった。2日間同組のエスター・ヘンゼライト(ドイツ)と男性キャディーに英語で「きょうだい?」とたずねると「Boyfriend★」と告白され、「すごい盛り上がっちゃって」と積極的に海外選手との交流も楽しんだ。開幕前には全米女子プロ協会主催のイベントで、箸でアーモンドをつかみ、30秒でいくつカップに移せるかの“競技”に自ら参加。記録は20個で優勝し、父・雄士さんも「箸の持ち方は教えてないんですよ」と笑った。

 将来的に海外挑戦を目標にしており、今大会にポイントランクで出場がかなわなかった双子の姉・明愛(あきえ)との「最終的に2人でいけたら」と思い描く。今大会初出場で初制覇となれば、日本人初の快挙。米ツアー初優勝で同ツアーの出場資格も得られる。「成長するためにもビッグチャンス」と目を輝かせ、20歳はもちろん狙っていく。(宮下 京香)

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