山下美夢有、中嶋常幸プロの助言、父の技術指導、母のメンタルケア…ほんまに感謝 独占手記で語った


母、有貴さん(左)と父、勝臣さんから優勝を祝福された山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

母、有貴さん(左)と父、勝臣さんから優勝を祝福された山下美夢有(カメラ・小泉 洋樹)

◆女子プロゴルフツアー 伊藤園レディス 最終日(13日、千葉・グレートアイランドC=6741ヤード、パー72)

 2打差2位から出た山下美夢有(21)=加賀電子=が1バーディー、ボギーなしの71で、逆転の今季4勝目&通算5勝目。今季からツアーの指標がポイント制となり、初年度に21歳103日の史上最年少(88年ツアー制施行後)で年間女王に輝いた。シーズン獲得賞金2億円も突破した。本格参戦2シーズン目で頂点に立ったニューヒロインは、スポーツ報知に独占手記で喜びの声を寄せた。

 優勝することができて本当にうれしいです。周りからも「年間女王」という言葉を結構言われてきましたが、その中でも落ち着いて集中してプレーすることができました。目標だったので達成できて良かったです。

 今年はショットが安定しました。去年は後半戦に体重が減り、技術的にも少し落ちていました。今年は補食を取るようにし、ラウンド中におにぎりを3個、バナナとかも食べるようにしています。春先から体重は変わらず、後半戦に入っても調子が維持できました。

 シーズンに入る前はメジャーで優勝したい思いがありました。でも序盤に予選落ちが3試合続き、メンタル的にきつかったです。ディフェンディング大会のバンテリンレディスで予選落ちして、気持ちも落ちていました。プレーにも影響して、いらんことや、細かいことを考え始めて悪い流れになっていました。

 ワールドレディスサロンパスカップの週は、お世話になっている中嶋常幸プロが考案した体幹中心のトレーニングメニューをしっかりやって臨みました。父(コーチの勝臣さん)にも会場で見てもらい、目の前のプレーに集中しました。結果とか何も考えず、ただゴルフが好きだから、ゴルフをしっかりやろうという気持ちだけでやった結果、優勝できました。メジャー優勝の目標を達成したことで、リズムも良くなりました。なんか不思議ですね。

 中嶋プロも気にしてプレーを見てくださり、今年は毎試合のように終わってから連絡をしていました。「こういうところがダメだったな」とか指摘していただき、良くしようとやっていたから、結果的にトップ10が何回とかも意識はしませんでした。中嶋プロが見に来られた仙台の試合(ミヤギテレビ杯ダンロップ)では初日に60のビッグスコアを出して優勝できました。直接会ってお話させていただき、パワーをもらえました。

 今思うと、2020年にツアーに出始めた頃は流れもよく分からず、なじめませんでした。開幕の6月から3戦連続で予選落ちして、あの時に足りない部分がよく分かりました。父といろいろ話して、トレーニングもやりました。その頃、弾道測定器を購入しました。数値を見てどういう球を打っているか、どこが悪いかがデータで分かるので、見た目とか感覚でやるのではなく、レベルアップには必要だと実感しました。1年目が終わったオフはショートゲーム、100ヤード以内の練習を多くやりました。そういった経験もあり去年優勝できました。今年は4勝できたので、徐々に前に進んでいると思います。

 ちょうど1年前くらいに年間女王になりたいという思いが芽生えました。まずは日本でトップで戦わないと、海外に行っても簡単には戦えないと思っていました。8月にAIG全英女子オープンを経験して、まだまだレベルが違うなと感じました。来年は海外で出られる試合は行って戦いたいと思います。

 メルセデス・ランク1位になれたのは、両親や周囲の支えのおかげだという思いが強いです。父には小さい時からずっとみてもらっています。仕事があるため、会場に来てほしいなと思うこともあるけど、携帯でスイングチェックをしてもらったりしています。母(有貴さん)は本当にいいキャラをしていて、メンタルコーチのような存在です(笑い)。家族が大好きだし、きょうだい含めてみんな仲がいいです。3年間付き添ってくれているマネジャーさんの協力もあり、ゴルフに集中できて、良いプレーができています。ほんまに、みんなに感謝です。(プロゴルファー)

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