日本インドアゴルフ協会は12月中旬に都内のゴルフスタジオ「and GOLF」(東京都渋谷区)で「バーチャルゴルフトーナメント」を開催した。ゴルフで選手会の副会長を務める中西直人、ツアー通算3勝の「源ちゃん」こと時松隆光、同1勝の片岡尚之、女子でYouTubeなどでも活躍する井上莉花ら男女4人ずつ計8人のプロゴルファーが参加した。
大都会の中心で熱戦が繰り広げられた。男女8人のプロが集結。くじで男女2人1組のペアを結成し、各ホールのスコアがいい方を採用するフォーボール方式で9ホールの真剣勝負だ。片岡&井上ペアは4連続バーディーで勢いに乗った。「私、インドアの方がいいかも?」。後半は井上に第1打が右OBのミスもあったが、男子ツアー屈指のパット巧者・片岡が3メートル前後を難なく決め続け、最後は2人そろって「イエーイ」と笑顔。5アンダーで優勝を飾った。
片岡&井上ペアは優勝賞金50万円を手にした。片岡は「序盤からバーディーラッシュで一時は20台のスコアが出るとか思った。ショットは景色に惑わされずに打てる。またやりたいですね」と声を弾ませると、井上も「前半はインドアの方が簡単じゃない? と思ったけど、後半はミスがリアルに反映されるインドアの難しさも感じられました。片岡選手が頼りになりましたね。インドアゴルフは日が暮れても時間制限なく楽しめる。さまざまな方々に楽しんでいただけると思います」とうなずいた。
今大会の始球式として第1球目を放った中西は今回、プロ仲間を集めてイベントに参加。女子の1998年度生まれ“黄金世代”・臼井麗香とペアを組んだが、まさかのイーブンパー最下位に沈んだ。「勝って盛り上げるのが良かったけど、楽しかったので。実は、インドアゴルフは今回が初体験で、特にショートアイアンの距離感をつかむのが難しかった。悔しかったので、またリベンジしたいです」と頰笑んだ。
日本インドアゴルフ協会は「ゴルフを通して日本を豊かに」の理念の下、活動を広げている。29歳で、ゴルフ会員権事業を展開する住地ゴルフのCOO・木下裕介氏が代表理事を務める。現在はインドアゴルフ施設の経営支援、ゴルフコーチの活動支援に注力している。
今後はゴルフの人気を高めるべく、男女ツアートーナメントと連動した企画も実現していく。まずは来年3月30日開幕の男子ツアー国内初戦、東建ホームメイトカップ(三重・東建多度CC・名古屋)の開催に合わせ、シミュレーション大会やラウンド会を予定。コロナ禍で屋外でプレーできるゴルフの需要の高まりは実感するが、「それを継続させることが大事」と力説する木下氏。さまざまな角度から競技人口のすそ野を広げていく。