
1番でティーショット放ち明るい表情の古江彩佳(カメラ・頓所美代子)
◆女子プロゴルフツアー 明治安田生命レディス 第2日(10日、高知・土佐CC=6228ヤード、パー72)
第1ラウンド(R)残りと第2Rが行われ、日米通算9勝の古江彩佳(22)=富士通=が7位から出た第2Rを6バーディー、2ボギーの68で回り、通算8アンダーで首位と1打差の4位に浮上した。今大会の優勝で生涯獲得賞金は3億円を突破し、56試合目の達成なら宮里藍の57試合を抜いて日本人最速記録となる。ツアー通算3勝のささきしょうこ(26)=日本触媒=ら3人が9アンダーの首位。
古江が怒りをパワーに変えた。終盤の15、16番の連続バーディー後、17番でこのラウンド2個目の3パットでのボギー。だが、直後の18番で4メートルを落ち着いて沈め、「うまく4アンダー(68)で回れた。(最後は)怒りのバーディーだと思う」と振り返った。
前週にシンガポールで行われた米ツアーで3位に入り、6日朝に関西空港に到着。自宅のある神戸で荷物を入れ替え、同日夕方に高知県入り。強行日程の疲れを感じさせず、南国の風情あるコースを快調に回った。2番でボギー先行も「うまく取り戻せた」と前半で1アンダー。13番以降に得意のショットで好機をつくり、1打差4位に浮上。「いい位置に居られている」とうなずいた。
タイ、シンガポールからの3連戦にも「米国では4日間大会の連戦も多いので、ノーマルです(笑い)」とさらり。大会中も7時間半の睡眠を心掛け「体力は大丈夫」と胸を張る。体調面と同様、気を配るのは日米ツアーでの異なる芝質への対応と気温差による飛距離の違いだという。大会前から「練習ラウンドや試合でキャディーさんと確認しながら感覚をつかみたい」と柔軟に適応する考えを示していた。
優勝なら賞金1800万円を加え、日本ツアー56試合目で生涯3億円の大台突破となる。アン・ソンジュ(韓国)の55試合に次ぐ歴代2位の記録で、日本人では57試合の宮里藍を上回り最速だ。「向こう(米国)に行って、よりゴルフを楽しめている」と、昨年から米ツアーに本格参戦した22歳は手応えを明かす。スポット参戦した昨年10月・富士通レディース以来のツアー9勝目、節目となる日米10勝目へ、「自信を持って、楽しみながら明日もアンダーを目指したい」と視線を上げた。(岩原 正幸)