女子プロゴルフツアーのTポイント×ENEOSは17日から3日間、鹿児島・高牧CC(6419ヤード、パー72)で行われる。同大会に出場予定で、ルーキーイヤーの昨季2勝を挙げた川崎春花(19)=村田製作所=が14日までにスポーツ報知のインタビューに応じ、史上最年少での年間女王を今季目標に掲げた。2003年度生まれの新世代は「120%の努力」をモットーに、新たな時代の扉をこじ開ける。(取材・構成=高木 恵)
飛躍が期待されるプロ2年目は、新型コロナ感染で開幕戦をまさかの欠場。川崎は前週の第2戦から復帰した。今季最年少シード選手は19歳の川崎、佐藤心結、尾関彩美悠の3人だ。1998年度生まれの「黄金世代」、00年度生まれの「ミレニアム世代」に続く、03年度生まれの新世代が新たな時代を築こうとしている。
「昨季は慣れてきた頃に終わっちゃったので、また新たな気持ちで。けっこうドキドキしています」
今季目標にメルセデスポイントランク1位を掲げた。昨季の山下美夢有(21歳103日)超えの史上最年少での年間女王戴冠がかかる。
「メルセデスランク1位を目指して頑張りたいです。自分が一年間、モチベーションを維持できるのは何かなって考えたときに、そこに行き着いたので」
ルーキーの快挙に地元・京都が沸いたのは昨年9月だった。川崎はメジャーの「日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯」で、19歳133日の大会最年少で制した。4打差4位からの逆転劇。
「本当に奇跡というか、偶然のような勝ち方。その後は無意識に『成績も出さなあかんし』って、自分を追い込んだり。でも逆に(優勝後)2戦連続で予選落ちして、開き直れました」
快進撃は続いた。1か月後の「NOBUTA GROUPマスターズGCレディース」で早々に2勝目を挙げた。
「去年中にはもう1勝して、まぐれとは思われたくないという思いでした。最終的には自分の想像を超えるような1年になりました」
アイアンショットを武器にした攻撃的なゴルフが持ち味だが、性格は優しく子供好き。息抜きは「推しキッズ」たちの動画観賞だ。
「スマホで動画を、ずっと見ています。インスタで“推し”を見つけて。フォローした子のお母さんから『ありがとうございます。ご活躍を』って返ってきたんです。今年イチくらいテンション上がりました。推しキッズたちが今の癒やし」
エゴサーチは?の質問に「たまーにします」。続いて川崎本人の口から、衝撃の事実が明かされた。
「千鳥のノブさんに似てるって言われます。『川崎春花』って検索したら『ノブ』って出てくる(笑い)。やっぱり世間の方から見ても似てるんか、って思いました。高校時代のあだ名がノブだったんですよ」
優勝を争った昨年10月の「樋口久子・三菱電機レディス」で、ゴルフ好きのノブが会場に。最終日スタート前に「私、高校のときにノブって呼ばれていたんです」と話しかけると「目元が似てると思っていました」と返ってきた。本人公認だ。
「最初は、え、男の人と似てるの?と思ったけど、全然イヤじゃないです。テレビでノブさん見ると『あ、出てはる!』みたいな。めっちゃ親近感(笑い)」
座右の銘は「120%の努力」。敏腕営業マンの父・太郎さんの教えだ。紙に書き、部屋の壁に貼ってある。
「あとの20%の努力をできる人とできない人で差が出るよって。20%の努力が運を引っ張ってきてくれるって。なかなかできないんですけどね、私は。でもまずは、そうありたいと強く思うことから始めてみようと思って」
◆川崎 春花(かわさき・はるか)2003年5月1日、京都市生まれ。19歳。父親と姉の影響で7歳からゴルフを始める。大院大高2年時に全国高等学校選手権春季大会優勝。21年プロテスト合格。22年8月のステップアップツアーでプロ初勝利。日本女子プロ選手権コニカミノルタ杯でレギュラー初優勝で通算2勝。158センチ、51キロ。息抜きは「おいしいものを食べること」で、最近は餃子の王将の酢豚と天津炒飯がお気に入り。初詣は毎年八坂神社。
◆今季最年少年間女王の可能性を持つ主な選手 2003年度生まれの川崎(5月生まれ)、尾関(6月生まれ)、佐藤(7月生まれ)の3人は20歳での達成となる。同じ年代には、平瀬真由美のめいで抜群の飛距離が武器の竹田麗央(4月生まれ)、昨季下部ツアーで5勝を挙げた桜井心那(04年2月生まれ)、プロテストトップ合格の飛ばし屋・神谷そら(4月生まれ)らがいる。02年7月生まれの岩井明愛(あきえ)、千怜(ちさと)の双子の姉妹も10月初旬までに戴冠を決めれば、昨年の山下の最年少記録(21歳103日)を更新する。