◆女子プロゴルフツアー パナソニックオープン 第1日(28日、千葉・浜野GC=6656ヤード、パー72)
昨季ツアー最長となる11年189日ぶりの復活優勝を遂げた金田久美子(33)=スタンレー電気=が3バーディー、ボギーなしの3アンダー69で回り、首位に2打差の6位につけた。「キンクミノート」を携え、今季最上位スタートから逆転を狙う。池ポチャからバーディー締めの岩井千怜(ちさと、20)=ホンダ=も同じく6位発進。この日が36歳の誕生日だった吉田弓美子(アマノ)が67をマークし、川岸史果(28)=加賀電子=と並んで首位スタートを決めた。
金田の金色の髪と、白いミニスカートが、陽光を受けてキラキラと輝いた。久々の笑顔でのホールアウトだった。「自信を持ってゴルフができた。今季は初日にいいスコアで回れていなかったけど、ピンチも少なくて、ノーボギーで。それなりにいいゴルフ」。ショットも小技もかみ合った18ホール。5番パー3で8メートルを沈め、7番は125ヤードの第2打を2メートル半につけた。仕上げは13番パー3。グリーン左手前からチップインバーディーをもぎ取った。
3週間前に始めた「キンクミノート」の成果が、徐々に表れてきた。コンビニで買ったというB5のノートに、ゴルフで感じたことを忘れないように書き殴る。「私は再現性が苦手。寝て起きたらゴルフが変わっちゃう。再現性もないし、覚えも悪いし。すぐ忘れちゃったりするから、気づいたことを書こうと思って」。就寝前にゴルフと向き合う時間が、プラスになっている。日記の最後はいつも「頑張ろう」。必ず前向きな言葉で締めるようにしている。
25日のプロ野球、ロッテ―西武戦(ZOZO)で始球式を行った。打者・角中の背中側にそれながらも、ノーバウンドで捕手のミットへ。敗れはしたが、ロッテの9回の粘りに熱くなった。「昔はスポーツって全く興味なかったの。でも、大人になって、『スポーツって素晴らしい』ってみんなが言う意味が分かってきた。今、アスリートとして戦えていることがうれしい」と目を輝かせた。
昨年9位フィニッシュを決めた大会で、最高のスタートを切った。「自分の中で最大限、全力で頑張りたい。風も強いし、攻め方が大事。そこを考えながら、一打一打集中したい」。今季は7戦を終えて5位が最高。この日のノートには「自分、頑張ったね。明日も頑張ろう」と書いた。頑張る自分を励ましながら、ツアー3勝目に向かう。(高木 恵)