佐久間朱莉、3位急浮上で渋野超えの大会最年少V射程圏に…師匠・ジャンボ尾崎の言葉に発奮


17番ティーショットを打ち終え笑顔を見せる佐久間朱莉(カメラ・今西 淳)

17番ティーショットを打ち終え笑顔を見せる佐久間朱莉(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第3日(6日、茨城GC西C=6780ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 ツアー未勝利の佐久間朱莉(しゅり、20)=大東建託=が、男子ツアー歴代最多94勝の師匠・尾崎将司(76)の猛ゲキで目を覚ました。得意のアイアンとパットが好調で5バーディー、2ボギーでベストスコア69をマーク。11打差29位から3位へ急浮上し、2019年大会の渋野日向子超えとなる20歳147日での大会最年少優勝を射程にとらえた。新婚で先月30日に誕生日を迎えた後藤勝キャディー(46)のサポートも力に、最終日4打差逆転でメジャー舞台で初Vをつかむ。

 強風にも屈せず、本格参戦2年目の20歳がメジャーの優勝争いに名乗りを上げた。佐久間が頭脳的なプレーでムービングサタデーの主役となった。圧巻は9番だ。グリーン手前10ヤードからの3打目は狙い澄ましてチップイン。前半5つ目のバーディーで大喝采を浴びた。「自分のゴルフ以上のゴルフができた。9番は特に『おぉー』という感じだった」とほほ笑んだ。 

 第3Rは風速15メートルもの強い風にだれもが苦戦。サバイバルの様相を呈した。前日の第2Rも強風に苦しめられて78。グリーン奥にこぼす場面が多く、その反省から策を練った。クラブの番手を1つ下げて振り切ることを意識。この日は後藤キャディーと話し合い「グリーン手前から」のマネジメントを徹底した。4番で4メートル、パー5の5番は1メートル、7番は2メートル、パー3の8番は3メートルと得意のアイアンを武器に伸ばした。同キャディーの妻・ツアー1勝の福嶋浩子(45)は先週のレジェンズツアーで優勝。「今週一緒に勝ちたいね」と、勝ち運の“追い風”にも背中を押されている。

 本格初参戦した昨年は年間ポイントランク33位で初シードを獲得。前週の大会前にはジャンボ邸を訪れ、ハッパをかけられた。初優勝の期待される今季9戦でトップ10入りは3位の1度だけ。同学年の岩井明愛(あきえ)、千怜(ちさと)にも初優勝の先を越され「いつまでそこらへんの位置で戦っているんだ」とゲキを受けた。「頑張ります」と即答。師匠の期待に応えたい思いは強い。

 勝てば19年の渋野を超えて大会最年少V。今大会がツアー初優勝も渋野以来5人目となる。「焦りはないが勝ちたい思いが強い」。茨城GC西Cには「いいイメージ」がある。18年に同会場で開かれた関東ジュニア選手権。岩井明や西郷真央らを抑えて優勝した。雨予報の最終日へも「耐え合戦が好き。あきらめない」と佐久間。ジャンボのまな弟子が難コースで耐え抜き、混戦のメジャーを制す。(富張 萌黄)

 ◆佐久間 朱莉(さくま・しゅり)2002年12月11日、埼玉・川越市生まれ。20歳。父の影響で3歳から競技を始める。19年の日本ジュニアで2位に入り、翌年アマ日本代表入り。21年に埼玉平成高を卒業し、プロテストにトップ合格。同11月に下部ツアー優勝。昨季はトップ10入り3度を含むメルセデス・ランク33位で初シード。得意クラブはアイアン。155センチ。

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