平田憲聖が初Vで全英切符 5差追いつきミレニアム世代対決PO制す「うれしい。自信にもなった」


優勝しカップを掲げる平田憲聖(カメラ・岩田 大補)

優勝しカップを掲げる平田憲聖(カメラ・岩田 大補)

◆男子プロゴルフツアー ▽ミズノオープン 最終日(28日、岡山・JFE瀬戸内海GC=7461ヤード、パー72)

 22歳の平田憲聖=エレコム=が、ツアー初勝利。5打差の5位で出て6バーディー、ボギーなしの66で回り、通算17アンダーで並んだ同じミレニアム世代(2000年度生まれ)の中島啓太(22)=フリー=とのプレーオフを3ホール目で制した。1打差の3位に安森一貴(25)=オータニ広尾CC=、金谷拓実(25)=Yogibo=。3位までの4人が7月のメジャー、全英オープン(ロイヤルリバプール)の出場権を獲得した。

 1メートルのフックラインを沈め、平田は右拳を握りしめた。ツアー2季目での初優勝に、「厳しい展開が続いていたので勝つことができてうれしい。自信にもなった」。ツアー制施行後400人目の初優勝者となった22歳はキャディーらと抱き合い、ポーカーフェースを初めて崩すと、初々しい笑みを浮かべた。

 5打差を追って「優勝への意識はなかった」と無欲で出た。5番で3メートルのパットを沈めるなど3連続バーディーで浮上すると、11ホールで5つスコアを伸ばして優勝争いに割り込んだ。混戦となった終盤もボギーは打たず、同い年の中島とのプレーオフへ。ツアー1勝を挙げている強敵との“ミレニアム世代”対決は3ホール目で終止符が打たれた。「昨年は出られなかった日本オープンで同級生(ツアー3勝の蝉川)が優勝しているのをテレビで見て悔しかった。刺激になった」。開いていた差を少し縮めて安堵(あんど)した。

 大阪学院大3年で日本学生を制した2021年、プロ転向。ツアー最終予選会で2位に入った。「自分の中でチャンスだと思い、学校側には無理なお願いをした」。大学生プロとしてゴルフ部に籍を残したままのツアー出場は同校としても前例はなかったが、昨季は賞金シードも確保。アマチュア時代からクラブを使用するミズノが主催する今大会で念願も果たした。多くの応援を感じる日々で、「本当に感謝している。こうして勝てて良かった」と、しみじみと語った。

 優勝賞金1600万円は自分へのご褒美ではなく、母へ乾燥機を買う予定。「まだ実家暮らしで干してもらっているので、少しでも楽になってくれたら」。家族思いの22歳は今大会の結果で、初の全英オープンに挑む。「いつも風が強くて、下が硬くて転がってすごい難しい印象。楽しみです」と初の海外メジャーを待ち望んだ。(瀬川 楓花)

 ◆平田 憲聖(ひらた・けんせい)2000年11月26日、大阪府生まれ。22歳。祖父の影響で7歳からクラブを握り、12歳で本格的にゴルフを始める。大院大高から大阪学院大へ進学。21年の日本学生選手権で優勝。同年12月の最終予選会で2位に入り22年の出場権を獲得し、プロ転向。今季は4月の関西オープンで6位に入ったが、その後は2戦連続で予選落ち。得意クラブはサンドウェッジ。170センチ、70キロ。

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