PGAがLIVと統合へ…米男子ゴルフツアーが電撃和解で訴訟取り下げ追放選手も復帰へ


 米男子ゴルフのPGAツアーは6日、対立を深めていた超高額賞金ツアー「LIVゴルフ」と事業統合することで合意し、欧州ツアーも含め共同で新会社を設立すると電撃発表した。両者が和解した形で訴訟も取り下げられ、米欧ツアーは事実上の追放処分としていたLIV参戦選手の今季終了後の復帰に向け動き出す。PGAツアーのモナハン会長は「分裂と混乱の2年間を経て、歴史的な一日になった」と声明を出した。

 LIVは人権軽視が問題視されるサウジアラビア政府系ファンドが支援。オイルマネーを背景にした高額の契約金と1試合総額2500万ドル(約35億円)以上の賞金で、メジャー6勝のフィル・ミケルソンや、同2勝で元世界ランク1位のダスティン・ジョンソン(ともに米国)ら大物を次々に引き抜いて昨年始まった。反発する米ツアーは賞金の増額や新規大会創設などで対抗。サウジ政府系ファンドのルマイヤン総裁は「最初からゴルフをどう発展させるかという取り組みだったが、きょうそれが達成された」と語った。ミケルソンはSNSに「素晴らしい日だ」とつづった。

 だが、電撃的合意には波紋が広がる。米ツアーに「忠誠」を誓って“残留”した選手は不信感を募らせている。安秉勲(アン・ビョンフン、韓国)は「両ツアーはウィンウィンだが、(米)ツアーを守ってきた選手は完敗だ」と投稿し、「裏切られた」と批判する選手もいた。

 ◆LIV招待 元世界ランク1位のグレッグ・ノーマン(豪州)が指揮を執り、22年から始まった。1大会48選手が参加して3日間54ホール方式で英国、米国、サウジアラビアなどで年間8試合開催。個人戦と団体戦で行う。ミケルソンやブライソン・デシャンボー(米国)らが高額な移籍金で米ツアーから引き抜かれ、両者の対立は法廷闘争にも発展していた。

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