長野泰雅、一日12アンダーの5人目ツアー記録と歴代5位タイ60で首位浮上「楽しかった」


長野泰雅

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◆男子プロゴルフツアー プレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品 第2日(23日、栃木・西那須野CC=7036ヤード、パー72)

 23位からスタートした長野泰雅(たいが、20)=福岡地行=が1イーグル、11バーディー、1ボギーの60で回り、通算15アンダーで首位に急浮上した。18ホールで12アンダーはツアータイ記録。歴史に残るビッグスコアをマークした新星は、勢いに乗ってツアー2年目で初優勝を目指す。フィリピンのジャスティン・デロスサントス(27)=JOYXGC上月C=も首位。24日に23歳の誕生日を迎える中島啓太(フリー)が2打差3位に続く。

 ツアー史上に残るバーディーラッシュ。その中心にいたのは20歳の長野だった。10番からスタートして迎えた後半の4番パー5。残り270ヤードから3ウッドで2オンに成功。12メートルのロングパットをねじ込んでイーグルを奪った。この日、5ホールを残して9アンダーまでスコアを伸ばした。「自己ベストが63(9アンダー)なので、あと1つバーディーを取りたい、と思っていたら3つも取れた」。終わってみれば自己ベストを3打も更新し、12アンダーのツアータイ記録をマーク。「記録は知りませんでした」と自身の快挙に驚いた。

 同組で好プレーが連発し、流れに乗った。若手実力者の22歳・蝉川泰果(フリー)は64。選手会長の44歳・谷原秀人(国際スポーツ振興協会)は65をマーク。同組3人で計2イーグル、25バーディーが量産され、27アンダーの大フィーバーとなった。「楽しかった」と満面の笑みで振り返った。

 大爆発のもうひとつの要因が先週から投入した新ドライバーだ。先々週までブリヂストンの「B―リミテッド B1」を使用していたが、今週から同社新製品のプロトタイプでプレー。「すぐに結果が出た。直進性があり、飛距離が10ヤードくらい伸びました」と話す。平均飛距離は302・04ヤード(今季ツアー11位)。伸び盛りの20歳の飛距離は今後、さらに伸びそうだ。

 先週のハナ銀行招待では第3日を終えて3位につけていたが、最終日に74で12位に終わった。「リベンジができればいいですね」と初優勝に意欲を示す。名前の由来はタイガー・ウッズ(米国)だ。九州シニア優勝経験を持つ父・清一さんは永久シードの尾崎将司と直道兄弟から「将直(まさなお)」と名付けようとしたが、母・珠美さんが「昭和過ぎる」と反対したという。20歳のタイガーが選手会主催の大会で主役に躍り出る。(竹内 達朗)

 ◆長野 泰雅(ながの・たいが)2003年5月6日、福岡・篠栗町生まれ。20歳。16年九州シニア優勝の父・清一さんの影響で9歳でゴルフを始める。沖学園高1年時に国体で個人、団体戦の2冠。3年時にプロ転向。ツアーに初参戦した昨季、日本オープン3位。3023万7359円を稼ぎ、賞金ランク30位でシード権を獲得した。家族は両親と姉。170センチ、75キロ。

 ◆最多アンダー記録 記録が残る1985年以降、賞金ランク対象競技では12アンダーが最高。10年中日クラウンズ最終日(パー70)の石川遼らが達成しており、長野はツアー5人目。ストロークのツアー最少記録は、10年中日クラウンズ最終日の石川と21年ゴルフパートナー・プロアマ最終日(パー70)のキム・ソンヒョン(韓国)がマークした「58」。「60」は歴代5位タイとなった。

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