稲見萌寧、69で通算6アンダー 力強いショット戻り笑顔 復調気配に「光は見えた」


ラウンド後の練習でゴルフ用の”サンドバッグ”を使い、インパクトを確認する稲見萌寧(カメラ・岩原 正幸)

ラウンド後の練習でゴルフ用の”サンドバッグ”を使い、インパクトを確認する稲見萌寧(カメラ・岩原 正幸)

◆女子プロゴルフツアー アース・モンダミンカップ 第2日(23日、千葉・カメリアヒルズCC=6650ヤード、パー72)

 2020―21年の賞金女王で、ツアー通算12勝の稲見萌寧(Rakuten)が14位から出て5バーディー、2ボギーで回り、連日の69。通算6アンダーで、この時点で首位と4打差の暫定3位としている。前半の11番で2メートル、12番で4メートルの連続バーディー。18番で4メートルのバーディーで伸ばした。後半は、3、4番の連続ボギーがあった中、イーブンにまとめて、上位に名を連ねた。

 取材エリアでの第一声は「お久しぶりです」。この日のラウンドを「ショットが結構良くなっていて、気持ち的には楽」と振り返った。今季は3月にトップ3入りが2度あったものの、納得いくゴルフではなく、初の予選落ちを喫した5戦目以降で予選落ち6回(他に棄権1回)。2週前の宮里藍サントリーレディスでは、2日間8オーバー114位に終わった。

 前週までのメルセデス・ランク29位、パーオン率は全体51位の63・89%と稲見らしくないパフォーマンスが続いていた。きっかけは大会前の月曜日(19日)。新コーチに指導を受け、股関節に力が乗るようにスイングを修正した。すると、力強さが戻り、きれいなフェードの球が出るようになった。

 「(意識するのは)インパクトです」と稲見。調子が悪い頃はクラブが寝てしまう癖が出ていたが、スムーズな軌道で、しっかりと中心で捉えられるようになった。ゴルフ用のサンドバッグのような「スイングバッグ」と呼ばれる練習器具を、ラウンド前後の練習で使用する。「何回か叩いて、感覚を。キャディーさんに座ってもらうんですけど、私がキャディーさんをいじめてるみたいに見えて…」と苦笑しつつ明かした。

 股関節が使えるようになった効果はばっちりで、稲見の父も「打って2、3球で、はまった。今までは力が逃げていたが、強い頃のスイングが戻った」と太鼓判を押した。本人も「またゼロからですけど、光は見えたという感じです」と笑顔を見せた。上位での予選通過に「気分的にも違う。この後、おいしくアップルパイを食べに行こうと思います」とギャラリープラザで提供されるメニューを心待ちにした。週末に向け「頑張って、そこ(優勝争い)に行きたい」と明るい表情で語った。

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