世界最古のメジャートーナメント「第151回全英オープンゴルフ選手権」が20日、英国・ロイヤルリバプールで開幕。今年は日本人9選手が出場する。今年の注目は、5月のミズノオープンで初優勝を飾り、全英切符を手にした平田憲聖(22)=エレコム=。今回、渡英直前に母校・大阪学院大学で、大舞台にかける意気込みを聞いた。(取材=三木 勝彦)
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昨季、大阪学院大在学中にプロツアーにデビューした平田。堅実なゴルフで賞金ランク58位で終え、今季シード権を獲得。今シーズンは4月の関西オープンで6位タイに入ったが、その後は「調子はそんなに悪くはなかったが、なかなかスコアメイクにつながらなかった」と中日クラウンズ、ゴルフパートナーPRO―AMトーナメントと2試合連続で予選落ちを喫した。
だが、5月のミズノオープンでは「堅実に予選通過と思っていました。ゴルフの調子も良かったので、いい位置で決勝ラウンドを迎えられたので攻めていきました」と、プレースタイルをチェンジ。最終日に5打差を追いつき、同学年の中島啓太とのプレーオフにもつれ込んだが、3ホールに及ぶ激闘を制して初優勝。全英切符を手にした。
「両親はもとより、中学生からお世話になっているミズノのスタッフには感謝の言葉しかない。ホストプロ(ミズノと用具契約)として優勝できたことはうれしかったです。とくに社長の前での勝利は感慨深かった」と、お世話になった人々への感謝の気持ちも忘れてはいない。
20日からいよいよ最古のメジャートーナメントが始まる。今年の舞台は2014年以来、13回目の開催となるロイヤルリバプール。狭いフェアウェーとリンクスコース特有の強風、難しいバンカーが散りばめられた全英らしい難コースだ。「英国のコースは全く初めて。リンクスなので風が強く、ラフが深い。天候も4日間で全く変わってくるイメージ」とリンクス特有の“自然”を警戒していた。
「目標順位はあえて設定していない。リッキー・ファウラーをはじめ、子どもの時にテレビで見た憧れのプロと同じ舞台に立てるのは、この上ない喜び。とにかく4日間しっかりと戦ってきたい」と、初の大舞台を前に目を輝かせた。
座右の銘は「自分に勝つ!」。沈着冷静な判断力を武器に、プロ2年目の若武者が世界屈指の難コースに挑む。
◆平田 憲聖(ひらた・けんせい)2000年11月26日、大阪府生まれ。22歳。大阪学院大高から大阪学院大へ進学。21年の日本学生選手権で優勝。同年12月のJGTOファイナルQTで2位に入り、22年シーズンの出場権を獲得しプロ転向。今季は4月の関西オープン6位タイ、5月のミズノオープンで初優勝。得意クラブはサンドウェッジ。170センチ。エレコム所属。TEAM―Iメンバー。