笹生優花がジュニアたちにメッセージ「遠い存在に見てほしくない」 自身の夢は「世界一」…記者コラム


笹生優花

笹生優花

 2021年全米女子オープンゴルフ優勝の笹生優花(フリー)が主宰するジュニアイベント「YUKA MEET&GREET 2023」が17、18日、茨城・静ヒルズCCで開かれた。

 同イベントは昨年12月以来、2度目の開催で小学生19人が参加した。参加者の笑顔が印象的だった楽しいイベントで、笹生が子どもたちに直接レッスンを行う場面ではお互いの表情は真剣そのもの。前週のメジャー、AIG全英女子オープンから次週のカナダでの米ツアー(CP女子オープン)の間というシーズンの真っただ中に行われたイベントで、ジュニアへの思いを取材した。

 笹生は「今やっていることを楽しむこと。常に楽しんでやることを忘れないでほしい」と、ゴルフを楽しんでほしいという気持ちを強調した。「ゴルフが好きだったから続けられて、今の自分がある。ゴルフを通じて人間的にも成長できている」と感謝の思いを口にする。

 20年に日本ツアーで2勝を挙げ、21年には全米女王に。米ツアーを主戦場とし、流ちょうな英語でツアーにもなじみ、子どもたちにとって笹生は憧れの存在だが、「遠い存在に見てほしくない」という思いがあるという。

 幼少期の原体験で、メジャー10勝でツアー72勝のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)のジュニア大会に参加した経験から次のように語った。「アニカさんの試合があった時に、(ジュニアの自分と)すごく会話をしてくれて、それまで遠い存在だと思っていたのが、遠い存在であるとはあまり感じなくなった。(その体験が)すごくうれしかった」

 8歳の頃に本格的にゴルフをするために、母の母国であるフィリピンに再び戻った。2010年全米女子オープンでポーラ・クリーマー(米国)が勝ったシーンを映像で見て、プロゴルファーを志した。厳しい練習に耐え、ジュニア時代から米国の大会にたびたび出場した。これまで16、7か国。異なる芝質のコースや気候、環境下で腕を磨いた。

 早い時期に海外で経験を積んだことがプラスに働いているが、「自分がやってきたことは言えるけど、絶対米国(に行けばいい)とかではない。選手がそう思えばうれしい。押しつけるのではなく、感じてほしい。(もし)そうでなくても、精いっぱい頑張って、楽しんでほしい」と子どもたちへの思いを話した。

 21年6月、全米女子オープンを制覇して以降、米ツアーに本格参戦し、今季が実質3年目。メジャーでは全米女子プロ選手権2位、エビアン選手権3位など、2勝目に近づいている。「次の夢は何か?」と問うと、「変わらない。世界一になりたい」と即答した。

 「こういうイベントはできる限り続けていきたい」と笹生。これからも子どもたちにとって“近い存在”として、次世代に夢を与え続ける。(ゴルフ担当キャップ・岩原 正幸)

最新のカテゴリー記事