◆男子プロゴルフツアー Sansan・KBCオーガスタ 第3日(26日、福岡・芥屋GC=7216ヤード、パー72)
19位で出た43歳の宮里優作(フリー)が1イーグル、6バーディー、1ボギーの65をマークし、通算14アンダーで首位に浮上。2017年日本シリーズJTカップ以来となる6年ぶり8勝目をかけ、最終日を迎える。
20代が台頭する最近の男子ツアーで、珍しく上位にベテランが顔をそろえた。47歳の小林正則とともに最終日最終組に入った43歳の宮里は「大丈夫ですか? 加齢臭漂う組み合わせになりますよ。梅塩昆布を食べていそうな」と開口一番笑わせた。
ティーショットでリスクを犯さない。安全なスペースへ球を運び「アイアンが調子良くなってきてるので、そこにポイントを置いてアイアンに攻めさせる感じ」を心がけ、好スコアをマークした。2番でボギーが先行したが、4番で176ヤードの第2打を8アイアンでピン手前2メートルに運び取り返した。9番パー5では250ヤードの第2打をユーティリティーでピン左8メートルに2オンさせイーグルを奪取。後半もチャンスを量産し、連続バーディーで締めた。
今季は13戦中8試合で予選落ちを喫し、最高順位は6月のASO飯塚チャレンジの20位。賞金ランキングは86位で、来季のシード獲得圏外にいる。「前半は怪我もなく体の状態は良かったけど、なかなか調子が上がらなかった。アプローチ、パットの精度が悪くて何が良くて何が悪いのよく分からない状況になってしまった」。追い打ちかけるように7月の日本プロ選手権でぎっくり腰を発症。2週間のオープンウィークは治療にあて、心機一転迎えた後半戦初戦で優勝争いに顔を出した。
今週の好位置を「若手のおかげ。刺激になっている」と感謝した。最近の若い選手の特徴に「4日間通してスイングスピードが落ちない。4日目にかけて飛距離が伸びていく」ことを挙げた。自分には無理なことだと心得ている。ならばベテランの強みを存分に発揮し、対抗するだけだ。「いかに省エネで回れるか。集中力を切らさない程度の疲労でいくかっていうのが、僕らの課題。張り合うとドツボにハマるので。正確性と経験です」。43歳の武器をフル活用し、逃げ切りを図る。