男子プロゴルフツアーのANAオープンは14日から4日間、札幌GC輪厚C(7066ヤード、パー72)で行われる。江別市出身でツアー1勝の片岡尚之(25)=CS technologies=が13日、プロアマ戦で最終調整。アマチュアだった札幌光星高2年時の2014年にツアーデビューを飾った思い出のコースで、2年ぶり2勝目を目指す。
地元ならではの心地よさに、片岡の表情が緩んだ。今季最後となる北海道での大会を前に「やっと涼しい北海道。それが一番嬉しいし、輪厚は楽しい」。自然と笑みが漏れた。7月は長嶋茂雄招待セガサミーカップ(ザ・ノースカントリーGC)が2位、日本プロ選手権(恵庭CC)は49位。地元優勝ラストチャンスへ、自然と力が入る。
ANAオープンに、特別な思い入れがある。中学生だった2011年、16歳の伊藤誠道の優勝争いを生観戦し刺激を受けた。札幌光星高2年生だった2014年にはツアーデビューを果たした大会でもある。輪厚は小学時代から試合で回ってきた、よく知るコースだ。「いろいろ思い出がある。このコースが大好きだし、思い出の試合なので、楽しみながら頑張りたい」と少年のような顔を見せた。
昨年11月から谷将貴コーチの下で、スイング改造に取り組んでいる。今季は開幕から5戦連続で決勝進出を逃した。毎ショットのように「プロゴルファーに向いていないんじゃないか」と自問自答を繰り返してきたが、徐々に復調。賞金ランキングは16位まで浮上した。「スイングは良くなったり悪くなったりだが、だんだん良くなっていると信じて頑張っている」。
2週前のフジサンケイクラシックで2位に入った。今週は両親、知人、小中学の同級生らが来場する予定。「セガサミーの時もいろんな方に応援してもらったのに勝てなかった。今週こそ、いい位置にいたら、みんなの前で勝ち切りたい」。2年ぶりの勝利へ、声援が力になるはずだ。
(高木 恵)
◆片岡 尚之(かたおか・なおゆき)1997年12月28日、江別市生まれ。25歳。2歳からゴルフを始め、札幌光星高2年時の2014年に北海道アマで最年少優勝。同年、日本ジュニアを北海道選手として初めて制覇した。16年に東北福祉大に進学し、4年時の19年にプロ宣言。プロ4戦目となった21年5月のジャパンプレーヤーズチャンピオンシップ・サトウ食品でツアー初優勝。171センチ、67キロ。