中島啓太が20年ぶり大会新の24アンダーでV 好調のまま勝ち切り「自信」…2か月ぶり賞金ランク首位


優勝した中島啓太

優勝した中島啓太

◆男子プロゴルフツアー マイナビABC選手権 最終日(5日、兵庫・ABCGC=7217ヤード、パー72)

 1打差の単独首位で出た中島啓太(23)=フリー=が1イーグル、7バーディー、3ボギーの66で回り、大会最少記録を20年ぶりに1打更新する通算24アンダーで今季3勝目、ツアー4勝目を挙げた。優勝賞金2400万円を加え、金谷拓実(25)=Yogibo=に約1952万円差をつけ、9月以来の今季賞金ランク首位に返り咲き。今季残り4戦で、初の賞金王と来季出場権を懸けた12月の米ツアー最終予選会に向けて、大きな1勝を手にした。

 3打差の完勝劇だった。ウィニングパットを決めた中島は、ボールを手にした左手でガッツポーズした。「(今季2勝目の8月の)横浜ミナト(チャンピオンシップ)から、この試合までいい状態じゃなかった。今週は調子が良い、と久しぶりに感じた中での試合で、その感覚を持ちながら勝ち切れたのはかなり自信になった」と胸を張った。

 “赤鬼”と化し、1番のティーグラウンドに立った。自身ツアー初の単独首位で迎えた最終日。選択したウェアは派手な赤だった。「ZOZOでコリン選手が、最強というか、強い鬼みたいな勝ち方をしていたなと思って、初めて赤いウェアを選んだ」。自身は51位に沈んだ2週前の米ツアー「ZOZOチャンピオンシップ」で、コリン・モリカワ(26、米国)が2位に6打差の圧勝。普段は、母校・日体大カラーの青や紺、白を選択するが「ZOZOに感化されました(笑い)」と、憧れのメジャー王者が最終日に着用した赤のウェアをバッグに詰めてきた。

 見慣れない自身の姿に「派手だな…」と照れつつ、闘志を燃やした。7番までに5バーディー。8、9番は連続ボギーで一時は1打差とされた。だが、15番パー5でピンまで264ヤードの第2打を2・5メートルにつけてイーグルとし、初の逃げ切りV。「コリン選手の勝ち方を頭に描きながら。同じような雰囲気で終われたかなと思う」とうなずいた。

 約2か月ぶりに賞金ランク1位に返り咲き。2位金谷との差は約1952万で、次戦は19年に金谷がアマチュア優勝を果たした「三井住友VISA太平洋マスターズ」(9日開幕・静岡)だ。次戦終了後の賞金ランク1位は、米ツアー来季出場権をかけた最終予選会資格を得る。「金谷さんの大好きなコースなので負けないように。もちろん、来週の結果次第で向こうに行きたいので優勝目指して頑張りたい」。2つの夢の実現へ全力を尽くす。

(瀬川 楓花)

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