中島啓太、金谷拓実、蝉川泰果ら今季を引っ張った20代、“4年周期V”なるか石川遼…役者そろった日本シリーズJTカップ


(左から)中島啓太、金谷拓実、蝉川泰果

(左から)中島啓太、金谷拓実、蝉川泰果

◆スポーツ報知取材班座談会

 国内男子プロゴルフツアーで今季最終戦のメジャー、第60回ゴルフ日本シリーズJTカップは30日から12月3日までの4日間、東京・稲城市の東京よみうりCCで行われる。今季ツアー優勝者や賞金ランク上位者など30人が出場。賞金王を争った中島啓太(23)=フリー=、金谷拓実(25)=Yogibo=、ダンロップフェニックスで史上7人目のアマチュアVを達成した杉浦悠太(22)=日大4年=、大会2勝の石川遼(32)=カシオ=ら役者が勢ぞろい。節目の一戦の見どころをスポーツ報知取材班が座談会で語り合った。

 岩原正幸キャップ「今季の国内男子ツアーは中島、金谷、蝉川泰果といった20代が引っ張った。最終戦を占う上で、優勝を見てきた各記者に振り返ってもらいましょう」

 高木恵記者「中島がプロ初優勝にうれし泣きしたASO飯塚チャレンジドは、金谷との2人による技術と気迫のぶつかり合いでした。中島にとって金谷は、アマ時代から背中を追ってきた憧れの人。プレーオフ2ホール目で決着をつけ『金谷さんとバチバチに優勝争いをして、プレーオフで勝って。言葉じゃ表せないぐらいうれしい。もっと優勝争いをしていたかった』と口にするほど、今のツアーの魅力が詰まっていたように思います。最終戦でも熱いゴルフを見せてくれることでしょう」

 富張萌黄記者「私は金谷に注目しています。出場試合数は賞金ランク上位勢の中では少ないですが、トップ10入りは半数以上の12度と、しっかりパフォーマンスを発揮しています。日本シリーズ初出場の20年は5位、21年は3位と、コース相性も申し分ありません。『難しいコースの方が集中力が上がって好き』と話すように、メジャーのセッティングも向いていると思います」

 瀬川楓花記者「注目するのは蝉川です。プロ初Vを飾った関西オープンは、ツアー史上初のアマ2勝の重圧をはねのけるような堂々の戦いぶりでした。以降は苦しい時期もありましたが、11月のマイナビABC選手権で『どんなことにもおおらかに、逆にガッツさももっと出す』と心機一転。優勝争いにも加わり、この変化がプラスに働くのではと思います。優勝した3試合は全て関西のコース。『関西だけと言われないように…』と本人も気にしているところなので、関東での優勝への思いも強いはずです」

 岩原「若手では、ダンロップフェニックスで松山英樹、ブルックス・ケプカ(米国)らメジャー王者を抑えてアマVを成し遂げた新鋭の杉浦も、日本シリーズがプロ転向2戦目となり注目です。アマ日本代表として国際経験も豊富で、強風の中でもアイアンで低い球を打つなど対応力が光りますね。東京よみうりCCでどんなプレーを見せてくれるのでしょうか。経験豊かな30代、40代の選手たちからも目が離せません」

 高木「45歳の選手会長・谷原秀人は2012年の藤田寛之以来、2人目の日本シリーズ3連覇に挑みます。今季は2勝。優勝争いの局面でも普段通りを貫けるベテランのすごみを感じます」

 富張「32歳の石川は今季は優勝こそないですが、日本オープン2位や米ツアー、ZOZOチャンピオンシップでも海外勢に食らいつき日本勢最高の4位と、秋口からゴルフの状態が上がっているように見えます。三井住友VISA太平洋マスターズでは『ドライバー(ショット)は100点』と手応えもつかんでいました。ギャラリーに楽しんでもらおうというサービス精神も持ち合わせており、最終戦でも観客を沸かせるプレーに期待です」

 岩原「谷原は日本シリーズ15度目の出場で、コースを知り尽くしている強みがあると思います。昨年大会最終日の東京よみうりCCの名物ホール・18番パー3での、下って曲がる2メートルのパーパットを決めた場面はさすがの集中力でした。15、19年大会覇者の石川は史上7人目となる大会3勝目がかかります。昨年最終日に見せた17番パー5でのイーグル後の雄たけびは印象深いシーンでした。昨年は2打差5位と及びませんでしたが“4年周期”の優勝にも期待します! 今年も役者がそろい、楽しみな最終戦になりそうです」

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