男子プロゴルフツアー最終戦、日本シリーズJTカップは30日、東京・稲城市の東京よみうりCC(7023ヤード、パー70)で開幕する。石川遼(32)=カシオ=は地に足をつけ、15、19年以来の大会3勝目を目指す。
難関ホールの18番パー3。石川は第1打で3ユーティリティーを軽めに振り、ピン左手前3メートルにつけてバーディーで締めた。過去出場13回中2度の優勝を含むトップ10入り10回と好相性の大会。「いいイメージがあり、いろんなことがうまくいくんじゃないかという希望的観測もある。でも自分に甘えず、しっかり練習してきたことで戦いたい」と気を引き締めた。
地に足をつけて今季最終戦に向かう。シーズン終盤は、スコアには表れないミスが度々あったと自覚している。「『頼むからうまくいってくれー』というメンタルではやりたくない。祈ってプレーはしたくない。以前の自分はそういうプレーが多かった。自分の練習を信じ切れていないということ。中途半端な気持ちで打ちたくない」と口にした。
前週のカシオワールドオープンは予選落ちに終わった。「今年の自分にこの試合があって良かった」と言った。「優勝」という威勢のいい言葉は最後まで出なかった。終盤戦に得た課題と向き合いながら、4日間を戦うことになる。「文字映えするコメントがなくて、本当に申し訳ないです」と笑いを誘い、練習場に向かった。劇的な一打より、確信のある一打を追い求める。(高木 恵)