中島啓太6冠「子供たちの憧れになれるように」 蝉川、金谷と「NSK」トリオ 世界へ翔ぶ


中島啓太は6冠のトロフィーを前にして笑顔を見せる(カメラ・堺 恒志)

中島啓太は6冠のトロフィーを前にして笑顔を見せる(カメラ・堺 恒志)

 国内男子ツアーを主管する日本ゴルフツアー機構(JGTO)の年間表彰式が4日、都内で行われ、今季3勝の中島啓太(23)=フリー=が、初の賞金王を含め最多の6冠を獲得した。最終戦の日本シリーズJTカップ(報知新聞社主催)を最年少で制した賞金ランク2位の蝉川泰果(22)=フリー=、同3位の金谷拓実(25)=Yogibo=はともに2冠。青木功会長(81)から「NSK」と命名され、世界での活躍を期待された。

 グレーのスーツと青の蝶ネクタイ姿の中島が、壇上でも輝きを放った。最優秀選手、賞金ランキング、最優秀新人、平均ストローク、バーディー率、ゴルフ記者賞の6冠を達成。「自信になった。来年は海外に挑戦して、子供たちの憧れの選手になれるように、ゴルファーである前に一人のアスリートとして挑戦を続けていきたい」と決意表明した。

 蝉川、金谷とともに今年の男子ゴルフ界を代表する3選手として参加したトークショーでのことだった。尾崎将司(76)、中嶋常幸(69)と「AON」として一時代を築いた青木会長から「NSK」と命名された。「言われると自然と3人とも意識するもの。頑張らないといけないなと。おのずとやりますよ。やってください」。世界での活躍へげきを飛ばされた。

 蝉川に1打及ばず2位に終わった今季最終戦の日本シリーズJTカップから一夜が明けた。「17番のバーディーパットを外したシーンは夢に出てきた。でもあの一打以外は後悔していない。よくやったと思う」。気持ちは来季米ツアーと下部ツアー参戦をかけた最終予選会(14~17日、フロリダ)に向いている。

 上位5位までがツアー本戦、40位までが下部ツアーの出場権を獲得する。結果次第では欧州ツアーを選択する可能性もあるが、いずれにせよ主戦場を海外に移す。ランキング4位につける来年のパリ五輪代表(2人)も目標の一つ。「8年間ナショナルチームで日の丸のユニホームを着用してきて、すごくそれを誇りに思う。また着たいという思いは強い」と口にした。

 中島には理想の選手像がある。他の競技に取り組む子供たちにも、憧れを抱いてもらえるようなゴルファーになりたい。「かっこいいアスリートって、誰からも知られている。今の小学生で大谷翔平さんを知らない子はいない。トップアスリートを目指していきたい」。ゴルフ界という枠を超越した存在になるために、鍛錬を重ねていく。(高木 恵)

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