男子ゴルフで国内ツアー最多の通算94勝を挙げている尾崎将司(77)=フリー=が4日、「ジャンボ尾崎ゴルフアカデミーセレクションISPS」を千葉市内で公開した。19人の参加者の中には、3月に史上最年少でプロ転向する香川友(15)=千葉・野田一中3年=も弟子入りを目指して受験。“天才中学生”の豪快なショットにジャンボも「今回受けた男子では一番いい。面白い」と絶賛した。
アカデミー入門を目指すジュニアたちの全力プレーを、ジャンボが真剣なまなざしで見つめた。中でも目を引いたのは、15歳7か月の史上最年少で3月13日の中学卒業と同時にプロ宣言を控える香川だった。アイアンショットを放つと「すげーな」と、真後ろで腕組みした77歳の野太い声が寒空の打撃練習場に響いた。
その後、候補者たちは順番にドライバー、アプローチ、素振りを披露した。選考会を終えた尾崎は「今回受けた男子では(香川が)一番いい。面白いんじゃない。すごいな。(体重が)100キロくらいある」と15歳が持つ規格外のパワーに驚きの表情を浮かべた。
香川は昨秋に国内ツアー出場権を争う予選会で3次まで進出。ツアー側から出場資格が付与されることとなり、3月からプロ転向する決断を下した。練習を積みながら、西郷真央(22)ら門下生が活躍するジャンボ軍団の門をたたいた。レジェンドが見守る“テスト”にも「緊張はしなかった。(ツアー外含め)100勝以上されているすごい方なので、いろいろ聞いてみたい」と物おじせずに話した。
国内最多12度の賞金王を誇るジャンボと、最年少でプロ入りする香川の共通点はパワーだ。中3で103キロの体格を駆使し、キャリーで300ヤード近くを飛ばす。「今日のドライバーは真っすぐ行かなかったので30点」と苦笑も「プロは厳しい環境なので、学んで上に行きたい。世界ランク1位を目指し、努力したい」と飛距離を武器に世界と戦った師匠への弟子入りを待望した。
一方、香川より62歳年上の尾崎は自身の進退について「オレのことはいいんだよ。人生もほとんど終わってるんだから」と笑って一蹴。19年11月から遠ざかるツアー出場に関して「ないない」と否定的な見解を示した。「それよりも若い子の頑張る姿を見るのが好きなんだ」と、次世代のジャンボの育成に意欲を見せた。(岩原 正幸)
◆ジャンボ軍団 尾崎将司を筆頭に弟の健夫、直道や飯合肇、川岸良兼、金子柱憲らがいる。女子では原英莉花、西郷真央、笹生優花、佐久間朱莉らがツアーで活躍している。
英莉花に喝 〇…尾崎は女子で昨年、腰の手術を経て日本女子オープンを制したまな弟子・原英莉花(24)を「あれだけダメだったのが、いきなり女子オープンで優勝したり、(米ツアー2次予選会で)スコア誤記したり、やってることが分からない」と評した。2年前には「5アンダー(67)を2回連続で出したらスランプ脱出を認める」と伝えたそうで「できないということはまだまだ。早くスコーンと抜けてもらいたい」と笑った。