松山英樹、充実期を迎えた日本のエースが語ったメジャーへの思い「下が出てきても…」


◆米男子プロゴルフツアー ジェネシス招待 最終日(18日、カリフォルニア州リビエラCC=7322ヤード、パー71)

 松山英樹(31)=LEXUS=が6打差7位から逆転し、アジア勢で単独最多となるツアー9勝目を飾った。9バーディー、ボギーなしでこの日最少の62をマークし、通算17アンダー。ここ2年、首などの痛みに苦しんだが、2022年1月ソニー・オープン以来、約2年ぶりとなる復活の優勝で高額優勝賞金400万ドル(約6億円)を手にした。3打差の2位にウィル・ザラトリスとルーク・リスト(ともに米国)が入った。

 * * *

 2年近く勝利から遠ざかっていた昨年12月、松山とメジャーの話になった。「日本から他に誰か出るときは、絶対にその中でトップでいたい。下が出てくるかもしれないけど、トップを譲るつもりもない」と言い切った。リップサービスが苦手な松山の、戦闘モードあふれる一言。ただそれだけで、今季の優勝を確信した。

 練習量が多いことで知られている。会場で一度、失礼ながら言ったことがある。「本当に練習が好きだね」。返ってきた言葉は「練習が好きなんじゃなくて、うまくなるために、勝つために練習してるの!」。背負ってきたものの大きさと、ゴルフと向き合い続けた時間の“強度”は別格だ。

 世界随一のショットメーカーがショートゲームでたぐり寄せた9勝目は、30代での初優勝だった。20代との違いを「試合中に感じることも多々ある」という。抗いながら、受け入れながら、理想へ向かう芯の強さは変わらない。松山は今、ゴルファーとしての充実期を迎えている。(高木 恵)

最新のカテゴリー記事