◆男子プロゴルフツアー開幕戦 東建ホームメイトカップ 第1日(28日、三重・東建多度CC名古屋=7069ヤード、パー71)
身長185センチの大型アマチュア・中野麟太朗(20)=早大2年=が1イーグル、8バーディー、ボギーなしで大会コース記録&アマでツアー最少に並ぶ61をマーク。10アンダーで、99年以降では22年の蝉川泰果以来アマ2人目の初日単独首位発進となった。ゴルフ界の「りんたろう」は史上8人目のアマVへ突き進む。前田光史朗(23)=フリー=が64で7アンダーの2位。
シーズン開幕戦初日に、プロを退けトップに立ったのは、大学生アマの中野だった。185センチ、90キロの恵まれた体で存在感が際立った。前半の14番で106ヤードからの第2打でバックスピンを利かせてイーグルを奪うと「あれがきっかけになった」。後半の5番からは5連続バーディーで締め、大会コース記録とツアーアマ最少に並ぶ61。「終わった後は驚いたが、楽しかった。何でもできそうな感覚」とりんとした表情で語った。
早大ではトレーナーコースを専攻。ゼミでスポーツビジネスを学び「毎週プレゼンで大変」と文武両道の生活を送る。このオフは、1月下旬からニュージーランドで約5週間の合宿。ショット力を上げた。午前は英会話学校に通い、その後ジムからコースへ。「練習の成果が出た」と喜んだ。
ツアー9戦目の出場で「レギュラーツアーで優勝が目標」と、昨年ダンロップフェニックスを制した杉浦悠太以来8人目(9例目)&開幕戦初のアマVを射程に捉えた。高校野球で活躍し、名門・スタンフォード大に進学する佐々木麟太郎内野手(18)の存在も気になっており「海外の大学に行く勇気を自分も見習いたい」と同名の「りんたろう」に刺激を受けている。
名前は幕末から明治維新まで活躍した武士、政治家の勝海舟の幼名・麟太郎が由来。母が台湾出身で「『郎』は(母の地元で)あまり縁起が良くないから」と「朗」になった。27日夜はひとり焼き肉でパワーを蓄えたという20歳。優勝した場合のプロ転向に話が及ぶと「行きたい気持ちはあるが、大学の監督や親と相談したい」とした。3打差トップで迎える第2日へ「今日みたいに次の1打を考えてやりたい」と端正なマスクを引き締めた。
(岩原 正幸)
◆中野 麟太朗(なかの・りんたろう)2003年11月11日、台湾生まれ。20歳。ゴルフ漫画「あした天気になあれ」を読んで、7歳から競技を始める。明大中野中、高を経て22年4月、早大入学。昨年、日本アマ優勝。得意クラブはドライバーで平均飛距離300ヤード超。尾崎将司主宰のジャンボアカデミー4期生。趣味は「食べログ検索」。185センチ、90キロ。
◆中野が達成した記録
▼アマチュアの初日単独首位 99年の日本ゴルフツアー機構発足後では、22年日本オープンの蝉川泰果以来2人目(首位タイを含めれば3人目)
▼アマのツアー最少ストローク 22年パナソニックオープン3Rで蝉川がマークした「61」に並ぶ
▼大会最少ストローク 同コースの61は昨年大会2Rの細野勇策に並ぶ
▼24年イーグル第1号 今季の男子ツアーで最初にイーグルを達成