我慢でつかんだ10勝目…小祝さくら「耐えていればいいことがある」5打差逆転


優勝会見に応じる小祝さくら(カメラ・富張萌黄)

優勝会見に応じる小祝さくら(カメラ・富張萌黄)

◆女子プロゴルフツアー ヤマハレディース 最終日(31日、静岡・葛城GC山名C=6455ヤード、パー72)

 首位と5打差の5位から出た小祝さくら(25)=ニトリ=が6バーディー、1ボギーの67で回り、通算10アンダーと逆転で今季初優勝を挙げた。ショット、パットともにさえて大混戦となった難コースを攻略し、節目の通算10勝目。自身初のトップ10入りを果たした思い出の大会を制し、1998年度生まれの「黄金世代」では国内2ケタV一番乗りとなった。首位スタートで初優勝を目指した竹田麗央(りお、20)=ヤマエグループHD=は73と落とし、2位に終わった。

 桜が開花したばかりの静岡に、満開の“さくら”が咲いた。小祝はピンク色のウェアに身を包み、最終18番はベタピンにつけてバーディー締め。プロ転向8年目での通算10勝目に「プロになる前は1勝できるイメージも湧いていなかった。すごくうれしい」とチャンピオンブレザーに袖を通した。

 13番のボギーでスイッチが入った。5メートルのパーパットを外し「ショックだった。そこから気合を入れ直した」。14番で3メートルを沈めて取り返すと15番で3メートル、16番では8メートルをねじ込み、3連続バーディー。首位に並んだ。単独首位で迎えた18番でバーディーを奪い、大混戦に終止符を打った。

 日本ツアー10勝は「黄金世代」一番乗り。「同級生は強い子がたくさんいる。よくここまで来られたと思う」と謙虚な姿勢を崩さなかった。前週は同学年の臼井麗香が初優勝。オフには毎年、臼井や勝みなみとカラオケに行くほど仲がいい世代だという。

 今季の目標は複数回優勝と、自身初のメジャーVだ。今大会は「頭を使うマネジメントが必要」というツアー屈指の難コース。「耐えていればいいことがある」と我慢のゴルフにも自信をつかんだ。今年も全試合参戦を予定する“鉄人”。悲願達成へ向けて、試合で腕を磨き続ける。(富張 萌黄)

 ◆1998年度生まれ「黄金世代」 米ツアー6勝で日米11勝の畑岡奈紗、国内10勝の小祝さくら、同8勝の勝みなみ、日米7勝の渋野日向子、国内5勝の原英莉花ら日本女子ツアー歴代最多14人が優勝。世代通算は45勝。

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