ツアー13勝の成田美寿々 プロでは珍しいチッパーを駆使して予選通過確実


3番ティーショットを放つ成田美寿々(カメラ・今西 淳)

3番ティーショットを放つ成田美寿々(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 第2日(20日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)

 今季、レギュラーツアー初出場の成田美寿々(ジェイテクト)は69位からスタート。4バーディー、2ボギーの69で回り、通算2オーバーとして、成田がホールアウトした時点で42位に浮上し、予選通過(50位タイまで)を確実とした。「予選通過してホッとしています。最終日は、もっとアグレッシブにプレーします」と笑顔で話した。

 31歳の成田は、ツアー通算13勝を誇る実力者だが、2020年以降、不振に陥り、2022年末に休養を発表した。昨季は1試合だけの出場にとどまった。「本当にニート生活をしていましたが(同い年で親交が深い)青木瀬令奈が『そろそろ帰ってきなよ』と言ってくれたので」2週前に下部ツアーのヤンマーハナサカレディースで復帰し、38位。「瀬令奈には『試合に戻ってきてくれてありがとう』と言われました」と友情に感謝した。

 今大会には主催者推薦で出場。今季初のレギュラーツアーでは第1日は3バーディー、4ボギー、1トリプルボギーの75で69位と出遅れたが、第2日に巻き返した。見せ場は、470ヤードの長い5番パー4。残り205ヤードの第2打を4ユーティリティーで7メートルに乗せ、バーディーパットをねじ込んだ。成田らしい豪快なプレーだった。第1日にはトリプルボギーをたたいたホールで「リベンジできたぞ!という感じです」と笑った。

 アプローチでも悩んでいるため、プロとしては極めて珍しい「チッパー」を入れている。「格好つけたい自分が出てきますけど、格好悪い自分も見せていくしかありません。ここ数年、格好悪い自分しか見せていないので。きょう、チッパーを使ったのは2回。パーセーブできました」。成田らしい豪快なプレーを披露する一方で、チッパーを駆使しながら必死にプレーした。

 「成田美寿々」と記されたタオルマフラーを掲げて、応援してくれるファンが大きな力になっている。

 「ファンの方が待ってくれていることは大きいです。『また、ギラギラしている美寿々が見たい』と言ってくれている。スポンサーの方々も『待っています』と言ってくれている。自分のためだけでは頑張れません」と成田はしみじみと話した。

 昨季、1試合だけ出場したリシャール・ミルヨネックスレディスでは第1ラウンドを34位と健闘したが、悪天候のため、27ホールの短縮競技でセカンドカットが行われたため、決勝ラウンドをプレーすることはできなかった。成田が決勝ラウンドでプレーするのは2022年のCATレディース(35位)以来、2年ぶり。「明日(21日)は予選落ちを気にせず、ガンガン行けるので、楽しみです」と意気込みを明かす。

 格好いい姿も、格好悪い姿も見せながら、成田美寿々は復活への道を進んでいる。

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