竹田麗央、史上4人目の初Vから2週連続優勝「頑張れば年間女王のチャンスもある」 次週も勝てばツアー史上初快挙


初Vから2週連続優勝を果たし、笑顔でトロフィーを掲げる竹田麗央(カメラ・今西 淳)

初Vから2週連続優勝を果たし、笑顔でトロフィーを掲げる竹田麗央(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー フジサンケイレディス 最終日(21日、静岡・川奈ホテルGC富士C=6494ヤード、パー71)

 前週に初優勝した竹田麗央(りお、21)=ヤマエグループHD=が6バーディー、2ボギーの67と伸ばし、大会タイ記録の通算12アンダーで、ツアー史上4人目の初Vから2週連続優勝を果たした。2週目に初日から首位を譲らない完全Vはツアー初の快挙。次週のパナソニックオープンレディース(26~28日、千葉・浜野GC)ではツアー史上3人目、初Vからは前人未到の3週連続Vに挑む。

 終わってみれば竹田の完勝だった。ウィニングパットを決めると小さくうなずき、キャディーを務めた兄・有男(ゆうた)さん(23)と軽くタッチ。「最後まで自分を信じてプレーできた」。日本有数のシーサイドコースで、一時はトップに3人が並ぶ混戦が繰り広げられたが12、13、16番でバーディーを重ねて抜け出した。圧巻は最終18番。約30メートルも打ち上げる395ヤードのパー4。第2打をユーティリティーやロングアイアンで打つ選手がいる中、残り140ヤードを9アイアンで放ち、ピン左2メートルに止めた。3日間の平均スコア4・42の最難関ホールで“有終バーディー”を奪い、2位と3打の大差をつけた。

 プロゴルフの世界では「初優勝より2勝目が難しい」という格言があるが、その壁を軽々と突破。ツアー史上4人目の初Vから2週連続優勝を成し遂げた。その2勝目は史上初の完全V。「先週の初優勝で自信がついた」と胸を張った。

 3月のヤマハレディース葛城で2位に2打差をつけ最終日を迎えたが、1打差2位に終わった。プロゴルファーの母・哲子(さとこ)さん(55)は「コースから車に乗った瞬間、大泣きしていました」と明かす。勝てそうで勝てなかったが先週、地元で逆転優勝。「今までだったら焦っていたけど、きょうは並ばれても、またバーディーを取れると落ち着いていた」と竹田は精神面の進化を実感した。日本女子プロゴルフ協会の小林浩美会長(61)も「プレッシャーが大きい地元で勝ったことは倍の意味があった。来週、3連勝のチャンスはあるでしょう」と予言した。

 母はプロとしてツアー96試合出場経験を持つ。叔母の平瀬真由美(54)は国内18勝で1993、94年の賞金女王。90、2000年大会覇者で、94年に2週連続Vも達成していた。幼少時からゴルフに慣れ親しみ、ゴルフの厳しさも知っている。飛距離あり、安定感あり。“勝ち癖”も身につけた。ポイントランクも首位浮上。平均スコアは唯一、60台(69・68)でトップ。飛距離ランクは3位(256・91ヤード)。無限の能力が一気に開花した。「頑張れば、年間女王のチャンスもあると思う」と自信も出てきた。「竹田時代」が到来しようとしている。(竹内 達朗)

 ◆国内女子ツアーの連続V 最多は出場5戦連続の元世界ランク1位のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)。97年に福嶋晃子、06年に宮里藍が出場3戦連続Vを成し遂げた。3週連続Vは07年の全美貞(韓国)と19年の鈴木愛の2人だけ。竹田が初優勝から3週連続Vなら史上初の快挙となる。

平瀬真由美(竹田の叔母。今大会はテレビで解説者を務めた)「先週、優勝したことで自信を持ってプレーしていた。これからも謙虚な気持ちで努力してほしい」

 ◆竹田 麗央(たけだ・りお)2003年4月2日、熊本・合志市生まれ。21歳。6歳の時、プロゴルファーの母の影響でゴルフを始め、熊本国府高1年時の19年九州ジュニアで優勝。1993、94年の賞金女王・平瀬真由美は母の妹で叔母にあたる。21年11月のプロテストに合格し、22年からツアー参戦。昨季はポイントランク22位で初のシードを獲得。趣味は野球観戦で、好きな選手は巨人・坂本勇人内野手。166センチ。家族は両親と兄、弟。

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