【世界一の衝撃】米国生まれの同じ“黄金世代”の歴史的快挙に勝みなみは「すごい刺激になる」


勝みなみ

勝みなみ

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第1日(2日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 今季米女子ツアーでネリー・コルダ(25)=米国=が、ツアー最多に並ぶ出場5戦連続優勝中と歴史的快進撃を演じて、女子ゴルフ界の注目を一身に集めている。身長178センチでトップモデルのような容姿を持ち、異次元の強さを見せて、米女子ツアーの人気も再燃気配だ。2021年東京五輪金メダリストでもある世界ランク1位の衝撃的な強さの秘密を今大会に出場する、パリ五輪日本代表入りを目指す4人に聞いた。初回は、同じ1998年度生まれの勝みなみ(25)=明治安田=。

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 日本ツアー通算8勝で、2023年から米ツアーを主戦場とする勝は、昨年からまだコルダと同組でのラウンドはないという。準々決勝で敗退した今年4月のTモバイル・マッチプレーでは、準決勝まで勝ち進めばコルダと対戦するはずだった。「勝てば(同組で初めて一緒に)回れたので、絶対勝ちたいと思ってたんですけど、負けちゃったので回る機会を失ってしまって。どんなゴルフするかすごい気になるので、今度もし回れたら回りたいと思います」と笑った。

 今年4月のメジャー初戦、シェブロン選手権でコルダは米女子ツアー最多記録に並ぶ出場5連勝を飾った。1月の今季初戦だったヒルトングランドバケーションズ・チャンピオンズは16位。その後、出場した1月のドライブオン選手権(米フロリダ州)、3月の朴セリ選手権(米カリフォルニア州)、フォード選手権(米アリゾナ州)、4月のTモバイル・マッチプレー(米ネバダ州)、シェブロン選手権(米テキサス州)と破竹の5連勝。1978年のナンシー・ロペス(米国)、2005年のアニカ・ソレンスタム(スウェーデン)に並ぶツアー3人目の快挙だ。世界ランク1位を不動のものとし、8月のパリ五輪では五輪競技初となる連覇も射程に入る。

 今季のスタッツはパーオン率ツアー1位の75・85%、パーオンしたホールの平均パット1・72で同2位。平均スコア69・22でツアートップと各部門別で圧倒的な数字を残している。同じ米女子ツアーを主戦場とする勝は「(今のコルダは)パターがめちゃめちゃ入っているって、聞きました。ショットもマッチプレーで後ろ(の組を)振り返ったら(フェアウェーの)真ん中にしかいなくて、誰だろうと思ったら、ずっとネリーだった。やっぱり調子いいんだなと思って。ゴルフは最終的にはパターが入れば上位にいけるし、優勝もできるんだなと思いました」と、目の当たりにした世界トップに君臨する強さの一端を語った。

 実は、勝と同じ1998年7月生まれ。コルダの父・ペトルさんは1998年全豪オープン男子シングルスを制したテニスの名選手。母も88年ソウル五輪に出場したテニス選手、6歳上の姉ジェシカも米ツアー6勝のプロゴルファーと、アスリート一家でもある。異国の「黄金世代」のスーパースターについて勝は「私もっと年上なのかと思ってびっくりしたんですけど、すごい刺激になるので自分も頑張ります」とうなずいた。

 現在、日本女子12番手の世界ランク76位。現状、日本勢の出場枠は世界ランク上位2人までで、逆転での五輪代表入りにはポイント配分の大きい今大会、5月30日開幕の全米女子オープン、6月の全米女子プロ選手権での上位進出が鍵となる。勝も今季米ツアーでは直近2試合連続でトップ10入りを果たすなど好調だ。「イメージ通り打てる球が増えたことが成績につながっている。自信はついている」と話す。今大会会場の茨城GCは17年のプロテスト合格後から、オフに練習している慣れ親しんだコース。今オフも3~4回東Cを回り、大会に備えてきた。「グリーンにアンジュレーションもあったり、色んな技を使って攻めていきたい」。まずは21、22年日本女子オープンに続く国内メジャー3勝目を挙げ、パリ五輪舞台での日米黄金世代対決実現へと歩みを進める。

 ◆女子ゴルフのパリ五輪への道 6月24日時点の世界ランクを基準に算定する五輪ポイント上位60人が出場権を得る。〈1〉同ランク15位以内は各国・地域で最大4人〈2〉16位以下は〈1〉の有資格者を含めて最大2人が出られる。大会は8月7日から4日間、フランス「ル・ゴルフナショナル」で72ホールストロークプレーの個人戦で争う。21年東京五輪は畑岡奈紗と稲見萌寧が出場し、稲見が日本ゴルフ界初の表彰台となる銀メダル、畑岡は9位だった。

 ◆ネリー・コルダ 1998年7月28日、米フロリダ州生まれ。25歳。16年にプロ転向し、18年のスウィンギングスカート台湾選手権で米ツアー初優勝。21年全米女子プロ選手権などメジャー2勝を含む通算13勝。21年東京五輪は姉とともに米国代表で出場して金メダル。22年に鎖骨下静脈の血栓の手術をし、4か月間戦線離脱した。178センチ。家族は両親と姉。

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