女子ゴルフ最終日は日韓女王最終組対決!山下美夢有「良い流れで」3差2位浮上


11番で青空に向かってティーショットを放つ山下美夢有。通算7アンダー2位から今季初優勝を狙う(カメラ・今西 淳)

11番で青空に向かってティーショットを放つ山下美夢有。通算7アンダー2位から今季初優勝を狙う(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー メジャー初戦 ワールドレディスサロンパスカップ 第3日(4日、茨城GC東C=6665ヤード、パー72、報知新聞社後援)

 通算11勝(メジャー3勝)で、2年連続国内年間女王の山下美夢有(みゆう、22)=加賀電子=が8位から出て5バーディー、1ボギーの68で、首位と3打差の通算7アンダー2位に浮上した。西コース(C)開催の22年大会覇者は大会史上初の東西両C制覇で、世界ランク上位2枠が得られるパリ五輪出場権に前進する。昨季韓国ツアー賞金女王の李叡源(イ・イェウォン、21)が10アンダーで単独首位。

 西日が差し込んだ最終18番のグリーン。日本の女王・山下は1メートルのパーパットを沈めると、安どの表情を浮かべた。気温28度の中、汗がしたたり、メジャーの難セッティングに頭も体も疲れ切った一日。ラウンド後は「14番でチャンスが入らず、残り4ホールでショットがブレた」と、16番の3日連続ボギーを悔やんだ。それでも「前半はショットが安定して3バーディーと、良い流れで回ることができた」と自己評価した。

 2週前の5大メジャー、シェブロン選手権(米テキサス州)で17位と健闘し、海外の難コースに対応してきた。「濃い一週間だった」と、100ヤード以内の重要性を再認識するなど学びが多かった。帰国後に体調を崩して前週大会は欠場も、22年V、昨年7位と好相性の国内メジャー初戦には間に合わせた。茨城GCは傾斜の強い高速グリーンに深いラフが特徴。「奥に行くと難しくなる」。下りのパットを残さないよう手前からの攻めを徹底し、時にはアプローチでしぶとくパーを拾い、総合力を発揮した。

 68で2位に浮上しV戦線に名乗りを上げた。東西両コース制覇なら大会初の快挙で、08年のメジャー昇格後、複数回優勝も日本人初だ。3差で追うのは韓国の女王・李。日本ツアーの2年連続年間女王は「久しぶりの優勝争い。追いかける立場だが、いつも通り回れたら。(東西両方で)取れたらいい」と、注目の“日韓女王最終組対決”へ気を引き締めた。

 6月24日の世界ランクを基にした「五輪ランク」で決まるパリ五輪代表争いに向けても、「一試合一試合、優勝を目指して頑張っている」と強調。ライバル・古江彩佳(23)は今大会予選で姿を消した。日本勢4番手の山下より上は僅差の争いが続き、国内メジャー優勝で得られる約20ポイント近くを加算できれば、し烈な2枠を巡る代表争いにも追い風となる。年少2位でのメジャー4勝目がかかる最終日へ「思い切ってプレーしたい」。夏の祭典も見据えて全力を尽くす。(岩原 正幸)

 ◆22歳277日でのメジャー4勝目 畑岡奈紗(19年日本女子オープン・20歳266日)に次ぐ歴代2番目の年少記録。樋口久子(69年日本女子オープン・24歳31日)、不動裕理(04年のLPGAツアー選手権リコー杯・28歳45日)を上回る。

 ◆茨城GCの東コースと西コース 東Cでの開催は2021年以来3年ぶり5回目。東Cは西Cと比べて、バンカー越えなど花道を使えないホールが多いのが特徴。コースセッティングを担当する13年大会覇者の茂木宏美さんは開幕前に「西Cとはまったく違った戦いになる。飛距離が出なくても、14本すべてを使える選手が上に来る」と予想した。

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