幡地隆寛が初優勝 ブルックス・ケプカとのラウンドで「好奇心と向上心に火がついた」


トロフィーを掲げる幡地隆寛(カメラ・谷口 健二)

トロフィーを掲げる幡地隆寛(カメラ・谷口 健二)

◆男子プロゴルフツアー 関西オープン 最終日(19日、滋賀・名神八日市CC=6869ヤード、パー70)

 2位から出た30歳の幡地(はたぢ)隆寛が5バーディー、2ボギーの67で回り、通算14アンダーとし、逆転で初優勝を飾った。

 プロとしてのツアー参戦9年目にして迎えた歓喜の瞬間だった。「達成感と苦しい一日からの開放感と。その両方がこみ上げた」。ドライバーショットはキャリーで310ヤードを誇るツアー屈指の飛ばし屋は応援にかけつけた妻・志保さんの涙顔に、こみ上げる感情を抑えた。

 4、5番の連続ボギーで後退も心を燃やし、食らいついた。パー5の11、12番でスコアを伸ばし、15、16番の連続バーディーで後続を突き放した。3日目に第1打を右林に打ち込んだ最終18番。「絶対に3アイアンを持つ」と決めて上がったティーグラウンドでその選択肢は消えた。握ったのは、武器のドライバー。思い切り振り抜きフェアウェーを捉え「今日唯一のいいドライバーショットを打てたことで、気持ちよく終われた。満足のいく勝ち方ができた」と胸を張った。

 昨年11月のダンロップフェニックスでメジャー5勝のブルックス・ケプカ(米国)と回り、衝撃を受けた。「好奇心と向上心に火がついた」。ゴルフとの向き合い方が変わった。志保さんも「去年くらいからゴルフに対する姿勢が変わった。練習に行かなきゃ、じゃなくて、行きたいになった」と口にした。今年3月には豪州とアジア共催のニュージーランドオープンで逆転優勝を果たした。

 海外志向は強く、今オフの米下部ツアー予選会への挑戦を視野に入れている。20日には海外メジャー全米オープンの予選会(滋賀・日野GC)に挑む。「ドライバーが不安なので、今から練習したいくらい。以前の自分なら『いいや』だったけど、今は(関西オープン優勝と全米オープン出場資格の)両方を手に入れたいという欲がある」。「未完の大器」と呼ばれた男が覚醒モードに入った。

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