日本のゴルフ界のための決断 松山英樹のパリ五輪に「普段」通りの環境作りのサポートを


◆米男子プロゴルフツアー メジャー第3戦 全米オープン 最終日(15日、米ノースカロライナ州パインハースト・リゾート=7569ヤード、パー70)

 松山英樹(32)=LEXUS=が、最終ラウンド後に今夏のパリ五輪出場を明言した。4位だった東京に続く2大会連続の出場で日本男子初の「メダルを目指す」。5位から出た最終日は1バーディー、1ボギーの70で回って通算2アンダーの6位で、22年全米オープン以来10度目のメジャー大会トップ10入りを果たし、74万8154ドル(約1億1746万円)を獲得した。松山は、パリ五輪について、日本ゴルフ協会(JGA)に「もうちょっとサポート体制をしっかりしてもらえたら、すんなりと行きたいです、とは言えるんですけど…」と求めた。

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 世界最高峰の米ツアーでトップ選手として長く活躍を続けることは、相当な覚悟と努力を要する。松山は今季開幕前に「(五輪のことは)今はまだ何も考えていない。僕にとってはメジャーの方が大事だし、シーズンの方が大事」と正直な胸の内を明かしていた。

 2013年6月から松山は世界ランクで日本の先頭を走ってきた。今大会でも出場6人中予選突破は松山一人と孤軍奮闘が続く。東京五輪の最終日にプレーを終えた松山は、パリ五輪について「出たいかって言われたら…。(星野)陸也に頑張ってもらいましょう」と、ともに日の丸を背負った星野の名前を出して若手の奮起を期待していた。

 メジャー最終戦の全英オープンから中1週でパリ五輪を迎え、その2週後にはプレーオフシリーズが始まる。首や背中の痛みに悩まされ、体の状態は日替わりながら、日本のゴルフ界のために五輪出場を決断。「普段の戦い方をしてメダルを目指す」。その「普段」通りの環境作りのサポートを求めることは、当然のことだ。(ゴルフ担当・高木 恵)

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