93戦目で女子ツアー初Vの21歳、名前の由来は「広い海に帆を広げて、志を持つ子に」 感謝スピーチに母感涙


初優勝を果たしインタビューで涙を浮かべる桑木志帆(カメラ・今西 淳)

初優勝を果たしインタビューで涙を浮かべる桑木志帆(カメラ・今西 淳)

◆女子プロゴルフツアー 資生堂レディス 最終日(30日、神奈川・戸塚CC=6697ヤード、パー72)

 1打差2位から出た桑木志帆(大和ハウス工業)が4バーディー、1ボギーの69で回り、通算11アンダーで悲願の初優勝を飾った。プレーオフ(PO)で敗れて悔し涙を流した昨年大会の雪辱を果たし、今年はうれし涙でツアー通算93試合目で栄冠を手にした。昨季は未勝利ながらポイントランク10位と、活躍を期待された21歳が真価を発揮した。単独首位から出た堀琴音(28)=ダイセル=は72と伸ばせず、2打差2位に終わった。

桑木の初優勝を両親が会場で見守った。ツアーに同行する父・正利さんは「特に何もない」と淡々と答えたが、娘の晴れ姿に目を細めた。昨年の惜敗時には「いつも以上に『悔しい』を連発していた」と明かした。普段はけんかが多いというが、何でも言い合える親子。桑木は優勝スピーチで、普段は口に出さない感謝の言葉も伝えた。母・浩子さんは今季3度目の観戦。この日は始発の新幹線で岡山からコースへ移動した。昨年大会も現地にきており、「奇跡みたい。うれしい」と目に涙を浮かべた。志帆という名前には「広い海に帆を広げて、志を持つ子になってほしい」という意味が込められている。これからも高みを目指し、親孝行を重ねていく。

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