タイガー・ウッズの存在が励み 「引退」よぎったベテランが2017年以来のVへ5打差逆転誓う


大きく順位を上げた宮里優作

大きく順位を上げた宮里優作

◆男子プロゴルフツアー 長嶋茂雄招待セガサミーカップ 第3日(13日、北海道・ザ・ノースカントリーGC=7096ヤード、パー71)

 34位から出た宮里優作(44)=大和ハウス工業=が1イーグル、7バーディー、1ボギーでこの日のベストスコア63をたたき出し、通算11アンダーの6位に大きく順位を上げた。シーズン開幕前に左半月板を断裂し「引退」もよぎったベテランが、2017年の日本シリーズJTカップ以来となるツアー8勝目へ5打差逆転を狙う。65で回った平田憲聖(23)=エレコム=が16アンダーで単独首位に立ち、今季初優勝に王手をかけた。

 最終9番で4メートルを沈めるバーディー締めに、宮里は右拳を握った。「クラブをしっかり振れるように最近やっとなってきた。ゴルフができているなっていう感じはある」。3番パー5では残り271ヤードの第2打を3ウッドでピン手前8メートルに運び、イーグル。10番からのインスタートの“裏街道”から、優勝争いに割って入った。

 1月に左膝の痛みが消えず、検査を受けた。結果は半月板断裂。手術はせずに再生医療を選んだ。足を伸ばせず寝返りも打てない。階段を上ることさえ困難な日々は「お先真っ暗状態」で、引退も頭をよぎった。ゴルフ人生で初めて1か月半クラブを握れず、3月に球を打てば全身が痛んだ。「まさかゴルフで筋肉痛になるなんて」と戸惑った。本格的に練習ができるようになったのは、6月に入ってからだった。

 自動車事故で右足に重傷を負いながら復帰を遂げた、タイガー・ウッズの存在が励みになった。「歩けるんだったら、けがのうちに入らないという思いでやってきた」。44歳は強い意志で復活ロードを歩んでいる。トップと5打差で迎える最終日へ「上位にポンと来られたのでチャンスはチャンス」。7年ぶりの優勝へ、ベテランらしく、最後まで食らいつく。(高木 恵)

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